だから次に会う時は地獄の果てで。
⚠この純猥談は浮気表現を含みます。
世界で1番愛してた人がいた。
陳腐な言葉かもしれないけれど、やっぱりそれ以上に的確に表せる言葉はないと思う。
世界で1番愛してた人は1年間付き合った専門学校時代の講師だった。
そして彼はまるで最初から決まっていたかのように、当たり前のように、わたしに別れを告げた。
「結婚するから」と言って。
わたしがどれだけ彼をすきで彼が大事かはしつこい程に伝えていた。
けれど彼はわたしのことが大事なわけではなかった。
だから結婚間際までわたしを手元に置いておけたのだ。それもそんなに大事な恋人の存在を隠して。
良識も優しさももっている人ならばもっと早い段階でわたしを突き放していただろう。
いやそもそも付き合うことすらなかったはずだ。
けれど彼はそれをしなかった。
彼はわたしの熱意が強すぎて断るのが申し訳なかったと言った。
なんだそれ。わたしのせいにする気?
断らないことが優しさだと本気で思ってるのか?
突き放してくれた方がまだマシだった。こんなに辛い思いをするなら。
本気で死んでやろうかと思った。
人の感情の機微にあまりにも鈍感な彼に、わたしの本気を分からせるためには、彼にわたしを永遠に刻みつけるためには、入籍日である彼の誕生日に死んで命日には墓参りに来させるしかないと本気で思っていた。今でもその考えはあまり変わっていないけれど。
自己満足と言われても構わない。家族が可哀想だと言われればそれは申し訳ないとしか言いようがない。けれどそうでもしなければ気持ちを抑えようがなかった。生きているのが辛かった。
お察しの通り、このときわたしの精神状態は非常に良くなかった。死んでしまいたかったけれど、死ぬことも出来ないほどに衰弱したわたしは一人暮らしの家で倒れて気づけば病院にいた。
連絡がつかないことを心配した両親が様子を見にやって来たらしい。
診断。鬱病。即入院。
23歳。女。精神疾患有り。
仕事は辞めなければいけなくなった。笑えない。
ちょうどその頃、ガールズバーの店長の女性が「好きで好きで仕方なかった」と言ってホストを刺した傷害事件があった。
不謹慎だけれどもわたしはその女の人が羨ましかった。
そのホストはきっとお腹に残った傷を見て彼女を一生忘れることはないだろう。
わたしも彼に永遠に消えない傷をつけたかった。わたしを一生ものの傷にしてほしかった。
ご飯が食べられなくなり薬を飲まないと眠れなくなり仕事にはいけなくなった。これだけ身体とメンタルと生活をぐちゃぐちゃにされたのに、彼は平然と結婚したのが許せなかった。
退院してからもわたしのメンタルは不安定で毎日のように泣いていた。
彼のことを考えてしまう時間が辛くて、どうにかして紛らわせたくて、マッチングアプリに登録した。
アプリで知り合った男の人と一緒にいる時は元の自分に戻れたような気がした。
セックスを求められればそれに応えた。
好きだとか可愛いだとか上辺だけの言葉を並べて抱かれたけれどそれでよかった。
埋まることはないとわかっている心の穴が一瞬でも埋まっていると錯覚できればそれでよかった。
虚しくたって構わなかった。涙を流す時間が短くさえなれば。
不思議なことにこれだけ精神が絶不調でも性欲はわくもので、たまには自分で自分を慰めていた。
けれど思い出すのは優しくて甘い彼とのセックスだった。悔しかった。
なんでこんなときにはまで思い出さなきゃいけないの。
それで最後までイッてしまう自分には呆れるしかない。
もう彼への気持ちは愛なのか憎悪なのかもよくわからなかった。
愛しくて愛しくて仕方のない気持ちと、
傷つけたくて殺したくてたまらない気持ちがごちゃごちゃになっていた。
幸せになって欲しいけど死ぬほど苦しい目にもあってほしかった。
愛なのか憎悪なのかわからないこの感情はわたしを蝕んで離れてはくれなかった。
彼を殺してわたしも死んでしまいたかった。
被害者ぶってみたけれど、わたしだってきっと誰かを傷つけている。
アプリで知り合った人の中には、本当にわたしを大事にしようとしてくれた人だっていた。
けれどその気持ちを踏みにじった。
わたしはきっと死んでも天国になんて行けない。
あなただって天国になんて行けないでしょう。
だから次に会う時は地獄の果てで。
地獄の果てで待ってる。
陳腐な言葉かもしれないけれど、やっぱりそれ以上に的確に表せる言葉はないと思う。
世界で1番愛してた人は1年間付き合った専門学校時代の講師だった。
そして彼はまるで最初から決まっていたかのように、当たり前のように、わたしに別れを告げた。
「結婚するから」と言って。
わたしがどれだけ彼をすきで彼が大事かはしつこい程に伝えていた。
けれど彼はわたしのことが大事なわけではなかった。
だから結婚間際までわたしを手元に置いておけたのだ。それもそんなに大事な恋人の存在を隠して。
良識も優しさももっている人ならばもっと早い段階でわたしを突き放していただろう。
いやそもそも付き合うことすらなかったはずだ。
けれど彼はそれをしなかった。
彼はわたしの熱意が強すぎて断るのが申し訳なかったと言った。
なんだそれ。わたしのせいにする気?
断らないことが優しさだと本気で思ってるのか?
突き放してくれた方がまだマシだった。こんなに辛い思いをするなら。
本気で死んでやろうかと思った。
人の感情の機微にあまりにも鈍感な彼に、わたしの本気を分からせるためには、彼にわたしを永遠に刻みつけるためには、入籍日である彼の誕生日に死んで命日には墓参りに来させるしかないと本気で思っていた。今でもその考えはあまり変わっていないけれど。
自己満足と言われても構わない。家族が可哀想だと言われればそれは申し訳ないとしか言いようがない。けれどそうでもしなければ気持ちを抑えようがなかった。生きているのが辛かった。
お察しの通り、このときわたしの精神状態は非常に良くなかった。死んでしまいたかったけれど、死ぬことも出来ないほどに衰弱したわたしは一人暮らしの家で倒れて気づけば病院にいた。
連絡がつかないことを心配した両親が様子を見にやって来たらしい。
診断。鬱病。即入院。
23歳。女。精神疾患有り。
仕事は辞めなければいけなくなった。笑えない。
ちょうどその頃、ガールズバーの店長の女性が「好きで好きで仕方なかった」と言ってホストを刺した傷害事件があった。
不謹慎だけれどもわたしはその女の人が羨ましかった。
そのホストはきっとお腹に残った傷を見て彼女を一生忘れることはないだろう。
わたしも彼に永遠に消えない傷をつけたかった。わたしを一生ものの傷にしてほしかった。
ご飯が食べられなくなり薬を飲まないと眠れなくなり仕事にはいけなくなった。これだけ身体とメンタルと生活をぐちゃぐちゃにされたのに、彼は平然と結婚したのが許せなかった。
退院してからもわたしのメンタルは不安定で毎日のように泣いていた。
彼のことを考えてしまう時間が辛くて、どうにかして紛らわせたくて、マッチングアプリに登録した。
アプリで知り合った男の人と一緒にいる時は元の自分に戻れたような気がした。
セックスを求められればそれに応えた。
好きだとか可愛いだとか上辺だけの言葉を並べて抱かれたけれどそれでよかった。
埋まることはないとわかっている心の穴が一瞬でも埋まっていると錯覚できればそれでよかった。
虚しくたって構わなかった。涙を流す時間が短くさえなれば。
不思議なことにこれだけ精神が絶不調でも性欲はわくもので、たまには自分で自分を慰めていた。
けれど思い出すのは優しくて甘い彼とのセックスだった。悔しかった。
なんでこんなときにはまで思い出さなきゃいけないの。
それで最後までイッてしまう自分には呆れるしかない。
もう彼への気持ちは愛なのか憎悪なのかもよくわからなかった。
愛しくて愛しくて仕方のない気持ちと、
傷つけたくて殺したくてたまらない気持ちがごちゃごちゃになっていた。
幸せになって欲しいけど死ぬほど苦しい目にもあってほしかった。
愛なのか憎悪なのかわからないこの感情はわたしを蝕んで離れてはくれなかった。
彼を殺してわたしも死んでしまいたかった。
被害者ぶってみたけれど、わたしだってきっと誰かを傷つけている。
アプリで知り合った人の中には、本当にわたしを大事にしようとしてくれた人だっていた。
けれどその気持ちを踏みにじった。
わたしはきっと死んでも天国になんて行けない。
あなただって天国になんて行けないでしょう。
だから次に会う時は地獄の果てで。
地獄の果てで待ってる。