「っていうことで、僕は人の守護霊を見ることが出来るんだ」
「っていうことで、僕は人の守護霊を見ることが出来るんだ」
「守護霊っていうのは、その人の好きな人のことをじっと見ているんだ。例えば、カップルがいたとする。お互い両思いでラブラブに見えても、守護霊を見ると片方が相手のことを見てるけど、もう一方がそっぽ向いてる時もある。人の気持ちはだいたい守護霊でわかる」

友人は、不思議な能力を持っているらしく、守護霊が見えるらしい。
そんなオカルト的な話だが、私はいつも真剣に話を聞いていた。


家に帰ると、「ただいま」と彼が待っていた。交際して1年になる彼。合鍵を使ってたまに私の部屋へ入ってくる。
「今日はどこで何してたの?」と聞かれるけど、「特にいつもと変わらない」と素っ気ない返事をして、私は全然興味のないテレビをつけた。
「最近なんか冷たいー」と甘えたような口調で狭いソファに寄り添ってくる彼に「そんなことないよ」と一切彼に視点を落とさずに答えた。
『守護霊は好きな人のことをじっと見ている』
きっと今の私の守護霊は明後日の方向を見ているだろう。
もともと押しに弱く、なんとなくで交際した。
何度「好きだよ」と言われても、身体を触られても、私は彼を好きになれなかった。

でも、私も人間。性欲は人並以上にあるし、彼との身体の相性は抜群に良かった。
多分、今日もセックスするんだろうなーっとボーッと考えてたら、彼の唇が私の唇に当たった。これが合図。私はそれを簡単に受け入れる。
丁寧な愛撫から挿入。私が好きな体位や気持ちいい場所を全て知っていたし、私も彼のそれを知っていた。
セックス中、「好きだよ」と連呼してくることに対して、「ありがとう」と伝える。
嘘はつきたくない。だって、私の守護霊は貴方を見ていないから。

セックス中も事後も全く彼の顔を見なかった。もう潮時だと思うし、彼もそれを感じていると思う。
おそらく彼の守護霊も私のことを見ていないだろう。
形だけの恋人は存在意義があるのか疑問であるが、私たちを『恋人関係』として繋ぎとめているのはセックスしかない。


翌日、また友人に会った。
今日もオカルト的な話を私にしてくる。
「昨日の続きだけど、守護霊っていうのはさ」楽しそうに語る友人の話を聞きながら、ニコニコしながら友人の話を聞いた。

私の守護霊も友人のことを見ながら話を聴いてるんだろうなと思った。
恥ずかしいくらい真っ直ぐに。

早く気づいてよ、私たちの視線に。
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