彼の顔色をいつも伺って気を張り続けていたことに、今更気付いた
出会いは初夏。彼からの一目惚れで始まった。
毎日ラインで「好きやから付き合って欲しい。」と言ってくれて、私が「あんたは年下やしもっと良い人おるよ。」と断っても、ラインじゃ伝わらないからといった理由で電話をかけてきては「俺は好きやから、結婚も視野に入れて付き合いたいって思ってる。」と言ってくれた。
真正面から私にぶつかってきてくれる彼に対して、凄く新鮮で嬉しくて少し恥ずかしい気持ちがあった。
「こんなに直球に気持ちを伝えてくれる人って居てないかもな〜。」と思い、最初の告白から3週間後に「いいよ。付き合おう。」と私から答えを出した。


付き合い始めてすぐに同棲をした。
部屋の間取りはワンルーム。
2人にしては狭いけど手に届くところに彼が居て、いつでも顔を合わせることができるその距離感に居心地が良いのを感じていた。
何をするにもどこに行くのも仕事以外は一緒で、気付いたらお互いが傍に居ることが当たり前になった。
喧嘩もたくさんしたけど、その分たくさん話し合って、彼はいつもわがままな私を許してくれた。
彼は無条件に私を愛してくれた。


同棲して3ヶ月が経った頃、喧嘩が増えた。
喧嘩の内容はいつも彼の仕事のことで、私が理解できなくて不満をぶつけるようになった。
喧嘩が増える度に彼も口調が荒くなり、物に当たるようになった。
それでも落ち着いて話し合い「2人で頑張ろう!」と仲直りしては、時間が経ったらまた同じことで喧嘩して、を繰り返した。

今思えばこの頃から少しづつ気持ちに余裕がなくなり、常に彼の表情を伺うようになったのだと思う。


同棲して5ヶ月が経った頃、彼から「お前もう実家に帰れ。別れよう。」と言ってきた。
突然のことで、最初は混乱したし「なんで?」と疑問でいっぱいで、泣くことしか出来なかった。
私の泣き顔を見て、彼も泣いていた。
たくさん話し合って、別れる決断をし、私は実家に帰ることにした。

帰ってきて5ヶ月ぶりに会うお母さんとお父さんの顔を見て、心の糸が切れたような気がした。
堰を切ったように涙が溢れる。

「ああ、私って彼と居ることに無理をしていたんだ。」と。

不満を言っても意味が無いのに不満を言ってしまう自分が凄く嫌で、
喧嘩しないように、彼と上手く付き合っていけるように彼の表情をいつもいつも気遣って、
自分の知らないうちに気を張り続けていたことに今更自分で気付いたのだ。

実家での生活はとても充実してて、自分らしく居れる感じがした。
彼と別れたタイミングで私は転職し、環境を変えて彼とのことを良い思い出にしようとした。


実家に帰って3週間後に彼から「やっぱりお前がおらな無理やから、また付き合いたい。」とラインが入った。

「またあの喧嘩して彼の表情を伺って気を張る生活に戻るのか」
咄嗟に浮かんだのはそれだった。
彼と一緒に居ることが怖くなってしまっていた。

私を失ったことの重大さに気付いて、別れてからも愛してくれる彼に対して、
最初の様に彼のことを無条件に愛せない私。

変わったのは彼だと思い込んでいたけど、実際は私だった。
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