クリスマスイブ、半端な期待をしていた自分が気持ち悪い
⚠この純猥談は浮気表現を含みます。
クリスマス、私の元にはサンタも来なければ届いたプレゼントもろくなものではなかった。

クリスマスイヴの夜、彼から「相変わらず暇だわ」と電話をかけてきたから、相変わらずくだらない話をしていた。本当は今日会うはずだったけど、彼が寝坊したから会えなかった。そんな当人からの電話。

電話越しに「俺、好きな人できたかも」と貴方が言った。
最近会う予定立てても結局ドタキャンばかりで、今日会おうねって約束してたのにバックれたのも、好きな人ができてたからか。
所詮私は2番手以降の人間なのだ。仕方ないね。

別に、私と彼は付き合っているわけじゃない。多分セフレ、でも普通の友達だ。お買い物に行ったり、暇なときに電話したり、会って話したりするから。彼はモテる人だから、他に同じような関係の女がいる。彼は私のものじゃないし、私も彼のものじゃない。


最初はこんなつもりじゃなかった。
去年の冬、はじめて出会ったそのときに、私が彼に一目惚れした。彼は女慣れしている優しい人だ。目が可愛くて、笑顔が素敵。無邪気な言動も愛らしい。
男慣れしていない私は、彼の一挙手一投足にまんまと転がされて、気づけば彼にぞっこんだった。彼の1番になりたい。というかオンリーワンになりたい。そう思っていた時もあった。

私は彼に「好きだよ」と沢山伝えて、彼はそれを上手くかわして、体だけは結ばれて、気付いたらこの関係だった。それでもよかった。好きだったから。
彼の浮気相手になっていた時期もある。彼が私との連絡を途切れさせないから、私も調子に乗っていた。彼女にバレなければいいや、と思ってずっと一緒にいた。好きだったから。
夏の蒸し暑い夜中に、急に呼ばれて彼の家まで急いで行ったこともある。好きだったから。


何があった訳でもないが、彼と疎遠になった時期があった。その間に、私には好きな人ができた。ちゃんと好きで、高校生の恋愛みたいな可愛いLINEをしたり、電話をしたり、甘酸っぱい感情を沢山経験したりした。彼への気持ちはもう友達としての好きになっていた。はずだった。


冬になって、また会うようになった。きっかけは彼からの遊びのお誘いだった。私も新たな恋愛に進展がなくて、なんとなく寂しかったから、誘いに乗った。
彼と会って、一緒にいるとき、彼は私に「かわいいねえ」「俺のこと大好きだもんねえ」「俺はお前のことすきだよ」って沢山言ってくれる。思ってもない言葉。
私も彼に「好きだよう」「あんたも私のこと好きでしょ」と言う。
私のことを大きな体で抱きしめてくれる。手を握ってくれる。頭を撫でてくれる。私はそれを受け入れるし、嬉しくてヘラヘラと笑う。好きな人に愛されているようで、満足。


私はまだ、彼のことを恋愛として「好き」だと思っているのか。
「クリスマスイヴに会おうか」という貴方のなんとなくの誘いもすごく嬉しかったのか。

「俺、好きな人できたかも」という言葉が、こんなにも私の心臓をギリギリと締め付けるのか。


クリスマスイヴの貴方からの誘いを、二つ返事で受けた私が、今日会えることを楽しみに生きていた私が、馬鹿みたいだな。
というか、中途半端なこの関係で、そんなにも期待していた自分が気持ち悪くて仕方がないな。
自己に対する嫌悪感、結局私は2番手以下だという自己批判、どす黒い感情を頭と心に蓄えながら、彼からの報告に「よかったねえ」とだけ返した。じんわり、ぼんやり、視界が暗くなっていく。

窓の外では真っ白な雪が積もり始めている。
 ツイートする
おすすめの純猥談
助演のわたし
⚠この純猥談は浮気表現を含みます。
つづ さんからの純猥談
つづきをよむ >
「今日で最後だから、もう一回だけしよう?」
⚠この純猥談は不倫表現を含みます。
スライム さんからの純猥談
つづきをよむ >
風俗嬢まりんの性愛テクニック講座
平凡妻 さんからの純猥談
つづきをよむ >