先輩はただ優しかった。
⚠この純猥談は浮気表現を含みます。

飲み会でしか会ったことのない3個上のサークルの先輩。
前に会ったのは半年以上前で、卒業したら結婚するんだ!と嬉しそうに同い年の彼女とお揃いの指輪を見せてくれた。
その時私はどうしようもない浮気ばかりする男と付き合っては別れを繰り返していて、ただただ2人を羨ましく思っていた。

久々の大規模な飲み会は年に一度の花見だった。
大学近くの公園で飲む、桜なんて口実の飲み会。
日も落ちて公園の街灯だけでも飲み続けれたのは学生だったからだと思う。
いつもは飲み会の中心にいる先輩がベンチで1人座っているのを見つけた。
幸せな話でも聞くかと思い、最近はどうなんですか?と隣に座った。
「別れたんだよね、昨日。振られた。好きな人が出来たって。」
予想外の言葉と寂しげに笑う先輩が彼氏の浮気に平気なフリをして耐える自分と重なった。
誰にも話したことなかったのに、ただ明るく笑っている子だと思われたかったのに。
「私も彼氏に浮気されてるんですよね、あの子私の彼氏の浮気相手の1人です。」
そんな事実を何も知らない同期を指差す。
えっ、と言葉に困るような反応にしまったと思った。
「だから慰めてください、傷ついたもの同士。」
慰めの言葉を聞きたくなくて、矢継ぎ早に続けた。
今となってはどうしてこんなことをしようとしたのか思い出せない。
小首を傾げながら顔を近付ける。
一瞬戸惑いの色が見えたが、先輩は優しくキスをしてくれた。
「私の部屋近いんですよね、来ませんか?」
先輩はまた困った顔をしながら行くか、と立ち上がった。
人が入れ替わり立ち替わり出入りするような飲み会だったこともあり、2人で消えてしまったことは結局誰にも気付かれなかった。

公園を出ると先輩は当たり前のように手を繋いできた。
彼氏なら私からじゃないと繋いでくれないな、なんてしょうもない比較をしてしまう。
徒歩5分、わざとらしくテンションをあげて他愛もない話をした。
私の部屋に着くと玄関で抱きしめられた。
いいの?と聞く先輩に笑ってキスをした。
あとはそのままベッドになだれ込み肌を重ねた。
ただただ優しく私には何もさせてくれない快楽だけを与えてくるセックスだった。
フェラをさせられ騎乗位で私だけが動く、彼氏との虚しいセックスとは全てが違った。
全身にキスをされ、焦らされるように触れられる。
いつもと違うむず痒い快感に早く入れてほしいとねだる私を先輩はまだだめと笑いながらいなした。
手で口で何度いかされたかも分からなくなってドロドロになった頃にようやく先輩はいれてくれた。
痛くない?と聞く声にひたすら頷くしかできないほどの快楽だった。
何度も何度もいったあとに先輩も果てた。
セックスが終わった瞬間、先輩の辛そうな顔をしたことは見ないフリをした。
こんなに優しくする人が彼女と別れた次の日に数回しか会ったことのない後輩とセックスをしてしまい、後悔をしないわけがなかった。

結局その日は終電もなくなったこともあり、先輩はうちに泊まっていた。
彼氏の寝巻を着て私を抱きしめて眠る先輩を可愛く思った。

その後先輩とは就活もあり会う機会がなく、そのまま卒業となった。
月日は流れ、私も就活を迎えた。
引きずり続けた彼氏とは就活前の冬にようやく本当に別れることができた。
別れてしばらく経つと何であんな男にこだわっていたんだろうと笑うことができるようになった。
先輩が東京の会社に就職したことは知っていた。
説明会のついでに会えるか連絡しようと思ったのはなぜだったかすら覚えていない。
ただの後輩として連絡をして飲みに行くことになった。
久しぶりに会った先輩は変わらずでも少し疲れているようだった。
社会人は楽しいよと笑って話す先輩に先輩以上の何かは感じなかった。

駅までの帰り道、彼氏とはちゃんと別れられた話をするとあの日の話になった。
「あの時、君は彼氏と同じことをして同じラインに立ちたかっただけなんだよ。俺じゃなくてもよかった。でも世の中には悪い男がいっぱいいるんだから、次はそんなことをしなくてもいい男を選びなね。」
俺が言えたことじゃないけど、と笑った。
最初から最後まで先輩の優しさに甘えていただけだったことに恥ずかしく、さらに申し訳なくなった。

その後、東京に就職した私はたまに先輩とは飲みに行く。
会社でできた彼氏の惚気話すると嬉しそうに笑ってくれる。
これはきっと恋愛感情ではない。
それでもあの日優しく肌を重ねた記憶はきっと私の心の支えの一つになるんだろうなと思っている。
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