何もしてくれないあんたにずっと一途で居れるわけないだろ。
大学進学を機に、同じ高校から都会へと出た彼。
高校生の頃からずっと一緒に過ごしてきた。

一緒に登下校をしては、一緒に電車を待ち、一緒に受験を乗り越えた。
よく家に遊びに行っては、一緒に散歩した。いつも重いって文句を言いながら、ちゃんと掴まっててと駅まで自転車の後ろに乗せてくれていた。

大好きな日常だった。
わがままな彼と我慢強い私。私に依存していた彼を軽くあしらっていたが、いつも本当は嬉しかった。


大学1年の夏が来た。
お互いが充実し始め、なんとなく別れてしまった。
それでも彼の中で1番の女として残れる自信があった。

進学前、一緒によくしていたスケボーを、あなたは続けた。
毎日が充実しているあなたと、あなたが居ない毎日に心にポッカリと穴が開いた私。

私の中で、こんなにあなたの存在が大きかったなんて初めて知った。

毎日泣き続け、ちょっとした物にさえあなたとの思い出を感じ、苦しいほど泣き続けた。


秋が来た。
あなたと私は夜にだけ会う関係になった。

田舎町で手を繋いでお散歩していた私たちは、都会に染まってしまっていた。

あなたはセフレではないという。
だってお前よりいい人はいない。愛しているから。
結婚するのはお前って決めているから。
ただ、今は付き合えない。
他の女も知りたいたいから。

私は他の女の影も感じていた。
私は、高校生の頃から変わらない完璧でいい女を演じ切った。

彼のアパートに行くと、他の女の下着を干した。
安っぽい下着だった。
私は髪の毛一本も残さないように気をつけてあげているのに。

嫌な女だ。絶対に顔なんて知りたくない。

私は苦しさに負けそうになったが、それでも大好きな彼と会えない方がよっぽど苦しかった。
彼も私とは絶対に離れられなかった。
誰かと付き合ってしまえば、こうやって私と会えなくなるからと言い、その女のことも振ったらしい。

昔から彼はとても繊細だった。
それなのに、今では大好きな私とどうでもいい女の使い分けができている。

それでも、彼は私への申し訳なさを理由に何度か離れようと切り出した。
大切な私を、綺麗な私のままで、綺麗な思い出として覚えておきたいって。
私は、その度に「わかった。」と言う。
だって、ここで面倒な女になって、忘れ去られることの方が悲しいから。

けれど、数週間もすると、彼は私に連絡をよこす。
私のいない日常に耐えられなくなるのだ。
明け方近くまでスケボーをしてから私の家に来る。
そして、一晩過ごし、彼に会えて嬉しそうにしてしまう私を確認しては、満足げに帰っていく。
連絡はこのときだけ。

「クリスマス、どうする?」
「今のところ予定はないけど、また連絡する。」

予定が無いなら、私との予定を決めればいいじゃないか。

彼にずっと好きでい続けて欲しいから、いろんなことを頑張る。
それなのに彼は何一つ私に返してくれない。

いろんな女と遊ぶけど、結婚するのはお前しかいない。とか。
他の女では手に負えないわがままな人だから、私以外、誰もあんたを面倒見きれないことも知ってる。

でも、何もしてくれないあんたにずっと一途で居れるわけないだろ。


私は、他の男の人とお付き合いすることに決めたんだ。
本当に優しくて、私を大切にしてくれる、楽しい人なんだ。

あなたみたいに私に頭を撫でられないと寝れない人じゃないし、
私が料理が苦手なことも知らない。
あなたのために夜中に家を飛び出して会いに行くようなかっこ悪い私も知らない。あなたを想って壊れるほど泣いた私も知らない。

今でもあなたを1番に想っている私のことも知らない。



ねえ、またいつか一緒に地元に帰ろう。

一緒にお散歩をしよう。
寒い夕暮れ、2人で電車を待ったあの駅。
私だけしか知らない、あなただけしか知らない、純粋で真っ白で、優しくて、大好きなお互いをまた取り戻せる日がくるといい。

そしたらきっと、優しくて繊細なあなたも帰ってくるってあなたが言ってたから。

私は大嫌いで大好きなあなたの幸せを、いつまでもずっと願ってるよ。
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