「次の好きな人には夜職してること言わん方がええよ」
「おもろいけど、次の好きな人には風俗やってること言わん方がええよ」

前の好きな人に笑いながら言われたセリフ。
未だに腹が立つクソみたいな思い出。


私はいわゆる地雷女だ。風俗嬢をしている。
学びたいことがあって入った大学は学費が高く、課題も多く多忙な学科なので普通のアルバイトじゃ間に合わない。
親がこれ以上負担してくれるわけでもない。だから、風俗嬢をしている。
おまけにリスカ跡持ちのメンヘラでもある。

そりゃそうだわ。彼女にするなら普通のかわいい女の子がいいよね。

その人の家から帰る電車で、静かに涙だけぽろぽろ零しながら、
普通の女の子のフリをしなければ私のことなんて誰も受け入れてくれないということを、
頑張って自分で切り開いてきた人生なんて価値がないということを、
そんな今後の人生を、悟った。


セフレみたいな関係が続き、ついにその人に彼女ができたことを報告された私は自暴自棄になって、出会い系アプリを入れた。
プロフィールから漂う超絶都合のいい女感は、その人よりイケメンで優しい人達を沢山釣り上げた。
地雷女要素にヤリマンが追加された。

そんな生活は、1人の男の子に執着してた時より断然楽だった。
寂しさと性欲を埋めてくれるならなんでもよかったし、
幸せではないが、日替わりで世界各国の色んな料理を食べる事のような楽しさがあり、
これが私に合った生き方なんだなと思った。


釣り上げた中でも1番懐いてきたのが彼だった。
前髪とまつ毛が長かった。
お互いメンヘラで、性欲よりも心の寂しさを埋めるような行為ばかりしてた。

二人でいる時はメンヘラのくせに、駅で別れる時は人目を気にして平気そうな素振りを見せる彼。
それでいて、別れ際に次に会える日だけはちゃっかり聞いてくる、そんなとこにキュンときた。
数回会って、ホテルで過ごす以外の時間も長くなってきた頃、告白された。
いやいや嘘でしょと思ったし、遊ばれてるのかなとも思った。
彼には風俗嬢であることも、そのいきさつも、他の男の子とも沢山会ってることも、全部話していたから。

それでも嬉しくて、他の男の子のLINEは告白された数時間後には全部消して、アプリもお互い消した。


もうすぐ付き合って10ヶ月が経つ。

不安症かつ、アプリにいた穴埋め要因の男の子達も消してしまった私は、何度もメンヘラになった。
それでも彼は、そんな面倒臭い私を好きでいてくれて、愛してくれた。

仕事のことで喧嘩した時もあったが、
「聞いてていい気持ちになれないこともあるけど、仕事と割り切ってるならいい。」
「違う世界で生きてる君の話が面白いとも思う。」
と、私のために我慢してくれて、そう肯定してくれた。

私のやりたいことも応援してくれている。
自分の学んでいること、好きなことについて語る私が好きだと言っていた。
その為に風俗で働いているということも、かっこいいと何度も褒めてくれた。

私も、そう思ってたの。
体を売っても惜しくないくらいのことだったから。その為に頑張れる自分を誇りにさえ思っていた。
今まで否定され続けて、アプリで出会った男の子達には自虐ネタとして話してた。
でも、やっぱり誇りを持っていいことだって、あなたが教えてくれた。


付き合ってからは色んなところに連れてってくれた。
いつの間にか電話する頻度が毎日になって、頻繁に会って、沢山喧嘩して、沢山仲直りした。
ホワイトデーや誕生日にはプレゼントもくれた。
超がつく節約家なくせに、私が大学の大きな課題を終えるたび、私の大好きな少し高めのパンケーキ屋さんに連れていってくれた。
沢山わがままを言わせてくれて、沢山好きだと伝えさせてくれて、沢山愛してくれた。

普通の女の子のふりをしなくても、
私は風俗嬢で元ヤリマンでリスカ跡があってメンヘラで、地雷要素てんこ盛りの、普通の女の子だって、教えてくれた。


いつまで一緒にいれるか分からないけど、もし別れても、お互い他の人と出会っても、この先また誰かと幸せになっても、あなたが教えてくれたことはずっと忘れません。

普通の女の子でいさせてくれてありがとう。
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