空っぽな心を埋めたくて、 彼は何人も抱いてるのか
『ねぇ、一回会ってみようよ。』
『処女、卒業したいでしょ?』
そんな彼の誘いに軽々と乗ってしまったのは、受験のストレスだったのだろうか。
その時、わたしは浪人生だった。
高校を卒業し、2回目の公務員試験に挑戦していた。
でも、もう限界だった。
受験のストレスでどうにかなっていたのだと思う。
趣味で作ったSNSで繋がった、一つ上の男の子と仲良くなった。
彼の前では自然体でいられた。
親の前ではいい子を演じて。
いつだって自分を押し殺して生きてきた。
でも、彼の前では口や本音が言えた。
彼を心から信頼していた。
たとえそれが、ネット上だけの関係だったとしても。
何気なくした会話の中で、処女だということがバレた。
それ以来ことあるごとにからかわれるようになった。
彼はいわゆる「ヤリチン」だった。
SNSで女の子ひっかけて遊びまくってるらしい。
下半身がだらしない人だった。
そんな彼の武勇伝(?)を聞かされつつ、処女だということをバカにされる。
そんな日々が何日か続き、
彼が突然会わないか、と提案してきた。
セックスすることを前提として。
私も19。このままいけば出会いナシで成人し、干物化するのは目に見えていた。
それに、人並みに性欲と好奇心もあった。
この人で卒業しちゃおう。
こうして彼と会うことになった。
約束の日当日。
私はかなり緊張していた。
何せ顔の知らない男の子と、しかもセックスをする約束をして会うことになったのだから。
待ち合わせ場所に到着すると、数分後に彼が迎えにきた。
彼は思ったより背が高く、思ったより細かった。
あまり男の子と関わることなく思春期を過ごした私は、久々の同年代の男の子の姿にドキドキしていた。
彼の家に招かれ、布団の上に導かれる。
初めてみる男の子の体に怯えながら、でもしっかりと興奮していた。
初めて他人を受け入れた。
とてもあっけなかった。
ほんとに処女?と何度も聞かれた。
それくらい想像していたものとは違った。
快楽だけが脳と身体を支配していった。
行為を終えた私たちは外に出た。
彼は午後から予定があるから、と言って駅まで送ってくれた。
「またね。」
またなんてあるかわからないのに、彼はそう言った。
次の日の朝。
出かけようと支度をしていた私の横で、スマホが通知を知らせた。
『今から会えない?』
彼からのメッセージだ。
彼が私を求めている。たしかに私も彼を求めていた。
わたしはセックス依存になりかけていた。
『すぐいくね。』
アホな尻軽女のような返事をし、昨日ぶりに彼の家に向かった。
家に入るなり、彼に後ろから抱きつかれる。
お尻に硬くなったモノが当たっている。
荒い呼吸で囁かれる。
早く欲しかった、と。
また身体の奥が疼く。
"彼が私を求めている"
獣のように激しく求めあった。
セックスって、こんなに気持ちいいんだ。
でも、どこか空っぽなことに気づいた。
愛がないんだ。
それに気づいた私は、スッと熱が引くのを感じた。
行為を終えた彼は、私をサッサと帰した。
そういうことだったんだ。
たしかに彼のセックスは上手かった。伊達に50人抱いただけある。
だけど愛がなかった。
彼はきっと、その空っぽを埋めたくて、何人もの女の子を抱くんだろうな。
そのあと、彼から何度か誘いのメッセージが来たが、すべて無視した。
それから、プツリと連絡が途絶えた。
そのタイミングで、連絡先を消した。
彼は今もまだ、空っぽを埋める何かを探しているのだろうか。
『処女、卒業したいでしょ?』
そんな彼の誘いに軽々と乗ってしまったのは、受験のストレスだったのだろうか。
その時、わたしは浪人生だった。
高校を卒業し、2回目の公務員試験に挑戦していた。
でも、もう限界だった。
受験のストレスでどうにかなっていたのだと思う。
趣味で作ったSNSで繋がった、一つ上の男の子と仲良くなった。
彼の前では自然体でいられた。
親の前ではいい子を演じて。
いつだって自分を押し殺して生きてきた。
でも、彼の前では口や本音が言えた。
彼を心から信頼していた。
たとえそれが、ネット上だけの関係だったとしても。
何気なくした会話の中で、処女だということがバレた。
それ以来ことあるごとにからかわれるようになった。
彼はいわゆる「ヤリチン」だった。
SNSで女の子ひっかけて遊びまくってるらしい。
下半身がだらしない人だった。
そんな彼の武勇伝(?)を聞かされつつ、処女だということをバカにされる。
そんな日々が何日か続き、
彼が突然会わないか、と提案してきた。
セックスすることを前提として。
私も19。このままいけば出会いナシで成人し、干物化するのは目に見えていた。
それに、人並みに性欲と好奇心もあった。
この人で卒業しちゃおう。
こうして彼と会うことになった。
約束の日当日。
私はかなり緊張していた。
何せ顔の知らない男の子と、しかもセックスをする約束をして会うことになったのだから。
待ち合わせ場所に到着すると、数分後に彼が迎えにきた。
彼は思ったより背が高く、思ったより細かった。
あまり男の子と関わることなく思春期を過ごした私は、久々の同年代の男の子の姿にドキドキしていた。
彼の家に招かれ、布団の上に導かれる。
初めてみる男の子の体に怯えながら、でもしっかりと興奮していた。
初めて他人を受け入れた。
とてもあっけなかった。
ほんとに処女?と何度も聞かれた。
それくらい想像していたものとは違った。
快楽だけが脳と身体を支配していった。
行為を終えた私たちは外に出た。
彼は午後から予定があるから、と言って駅まで送ってくれた。
「またね。」
またなんてあるかわからないのに、彼はそう言った。
次の日の朝。
出かけようと支度をしていた私の横で、スマホが通知を知らせた。
『今から会えない?』
彼からのメッセージだ。
彼が私を求めている。たしかに私も彼を求めていた。
わたしはセックス依存になりかけていた。
『すぐいくね。』
アホな尻軽女のような返事をし、昨日ぶりに彼の家に向かった。
家に入るなり、彼に後ろから抱きつかれる。
お尻に硬くなったモノが当たっている。
荒い呼吸で囁かれる。
早く欲しかった、と。
また身体の奥が疼く。
"彼が私を求めている"
獣のように激しく求めあった。
セックスって、こんなに気持ちいいんだ。
でも、どこか空っぽなことに気づいた。
愛がないんだ。
それに気づいた私は、スッと熱が引くのを感じた。
行為を終えた彼は、私をサッサと帰した。
そういうことだったんだ。
たしかに彼のセックスは上手かった。伊達に50人抱いただけある。
だけど愛がなかった。
彼はきっと、その空っぽを埋めたくて、何人もの女の子を抱くんだろうな。
そのあと、彼から何度か誘いのメッセージが来たが、すべて無視した。
それから、プツリと連絡が途絶えた。
そのタイミングで、連絡先を消した。
彼は今もまだ、空っぽを埋める何かを探しているのだろうか。