セフレから恋人になる選択肢とかあったりとか、する?
23歳で処女を捧げた。
そんな彼と3年付き合って別れた。
自分はただの浮気相手で、実は本命の婚約者がいることが分かり、彼に土下座され、なぜか婚約者さんにも頭を下げられ呆気なく終わった。
情けなさと憤りから私は毎晩ベロベロになるまで飲んでいた。自暴自棄だ。
「大丈夫ですか?」
カウンター席で前のめりに崩れながら飲んでた私に話しかけてきた男性。
スーツ姿で優しい顔立ちだけど少しチャラそうな人。
私は心の中で「うわ、なんかきたよ…」と思ってしまった。初めてのナンパ?
ただその時はヤケクソで、誰でもいいからぶちまけたかったから、その男性に元彼のことを話した。
すると彼も「実は俺も彼女が他の男を好きになって、半年くらい二股かけられたあとフラれたんすよね…」と言いだす。
彼もそのショックから最近飲み歩いているらしい。
結果、私たち二人は互いの元恋人への愚痴を肴に大いに盛り上がった。
朝になり、目を覚ますと知らない天井に知らないベッド。
そして裸の私と裸の昨日の男。
「やっぱりこうなるのかぁ…」と、初めてのワンナイトラブながら頭は結構冷静だった。
それ以降、彼とはセフレの関係になった。
週1で会ってはお酒を飲んで身体を重ねる。
たまに温泉に誘われたり、映画を見に行ったり、
私が免許を取った時は助手席に乗って、運転の練習にも付き合ってくれた。
そりゃ好きになる。
私の初めてのセフレ。
たぶんちゃんとした恋人にはなれないと思っていた。
そんな関係が2年も続いた。私も29歳。
だらだらと会えば会うだけ好意が募る。
このままでいいわけがない。また3年かけて捨てられたら、立ち直れる気がしない。
今、この関係を終わらせないといけない。
「私たちってセフレだよね?」
「うん、まあそうなるね」
「あー...そのさ…」
「...セフレから恋人になる選択肢とかあったりとか、する?」
回りくどいし声も震えてた。もう29歳なのにこんなことで心が疲れて辛い。
彼は吸ってた煙草を灰皿に入れ、台所で腕を組み「恋人なあ…」と考え込む。
まあ、終わった。
そりゃそうだよね。
気軽な関係だから繋がってたわけだし。
「いっそのことさ、結婚しない?」
一瞬、時が止まった感じがした。
「……え?」
「だから、結婚…結婚とかどう?」
「俺、お前のこと好きだしさ」
顔を赤らめて彼が言った。回りくどくて声は震えていた。
気づけば涙と鼻水で顔をグシャグシャになってた私も「私も好きです、ずっと前から好きです、結婚したいです」と言い、二人で抱き合い、朝まで愛し合った。
初めて「好き」という言葉をお互いぶつけ合いながら。
あれから数年。
「いやー、『あの時』は燃えたな」とヨレヨレのスウェット姿で言う旦那が、お腹の大きい私の目の前にいます。
そんな彼と3年付き合って別れた。
自分はただの浮気相手で、実は本命の婚約者がいることが分かり、彼に土下座され、なぜか婚約者さんにも頭を下げられ呆気なく終わった。
情けなさと憤りから私は毎晩ベロベロになるまで飲んでいた。自暴自棄だ。
「大丈夫ですか?」
カウンター席で前のめりに崩れながら飲んでた私に話しかけてきた男性。
スーツ姿で優しい顔立ちだけど少しチャラそうな人。
私は心の中で「うわ、なんかきたよ…」と思ってしまった。初めてのナンパ?
ただその時はヤケクソで、誰でもいいからぶちまけたかったから、その男性に元彼のことを話した。
すると彼も「実は俺も彼女が他の男を好きになって、半年くらい二股かけられたあとフラれたんすよね…」と言いだす。
彼もそのショックから最近飲み歩いているらしい。
結果、私たち二人は互いの元恋人への愚痴を肴に大いに盛り上がった。
朝になり、目を覚ますと知らない天井に知らないベッド。
そして裸の私と裸の昨日の男。
「やっぱりこうなるのかぁ…」と、初めてのワンナイトラブながら頭は結構冷静だった。
それ以降、彼とはセフレの関係になった。
週1で会ってはお酒を飲んで身体を重ねる。
たまに温泉に誘われたり、映画を見に行ったり、
私が免許を取った時は助手席に乗って、運転の練習にも付き合ってくれた。
そりゃ好きになる。
私の初めてのセフレ。
たぶんちゃんとした恋人にはなれないと思っていた。
そんな関係が2年も続いた。私も29歳。
だらだらと会えば会うだけ好意が募る。
このままでいいわけがない。また3年かけて捨てられたら、立ち直れる気がしない。
今、この関係を終わらせないといけない。
「私たちってセフレだよね?」
「うん、まあそうなるね」
「あー...そのさ…」
「...セフレから恋人になる選択肢とかあったりとか、する?」
回りくどいし声も震えてた。もう29歳なのにこんなことで心が疲れて辛い。
彼は吸ってた煙草を灰皿に入れ、台所で腕を組み「恋人なあ…」と考え込む。
まあ、終わった。
そりゃそうだよね。
気軽な関係だから繋がってたわけだし。
「いっそのことさ、結婚しない?」
一瞬、時が止まった感じがした。
「……え?」
「だから、結婚…結婚とかどう?」
「俺、お前のこと好きだしさ」
顔を赤らめて彼が言った。回りくどくて声は震えていた。
気づけば涙と鼻水で顔をグシャグシャになってた私も「私も好きです、ずっと前から好きです、結婚したいです」と言い、二人で抱き合い、朝まで愛し合った。
初めて「好き」という言葉をお互いぶつけ合いながら。
あれから数年。
「いやー、『あの時』は燃えたな」とヨレヨレのスウェット姿で言う旦那が、お腹の大きい私の目の前にいます。