色々なものを私の我儘で身勝手に失っていく
七年間付き合った彼氏と別れた。

彼とは大学卒業をきっかけに遠距離になった。
その時は未来を疑いもせず、お互いの就職を喜んだ。

就職してからの数年間、「まあ、結局いつかは一緒に居ることになるんだから」「結婚はまだ早いよ」と、
彼はのらりくらりと遠距離恋愛の結末をはぐらかした。
私も私で、人生を謳歌していた。彼が日常に居ないという一点を除いて。

彼からの答えを待つことに疲れ切ったのに、
地元で夢を叶えた私はそれらを捨てて、彼の元に私から行くという決断もできずにいた。


終わらせる、ということが頭をちらつくようになったのはいつからだろうか。

七年も一緒に居たのに、本当に大好きなのに。
私のこれまでは、私自身は彼が全てだったのに。
交わらない人生を悲観するのに疲れてしまって。
何もかもを捨ててでも彼と一緒に居るということを選び取れない私が悲しくて。

何週間も何ヶ月も話し合った。堂々巡りの話し合い。
そして、我儘にも私から手放してしまった。

7年の関係はこんな風にあっけなく終わってしまうのか。
私から言ったのに、こんな結末、考えもしていなかった。
どうしてこうなったのか。


「元気?ちょっと地元に戻る用事があるからさ、飲みにでも行こうよ」

それからしばらくして、本当に久しぶりに元彼でない男性と二人きりで食事に行った。
大学生の時から仲良くしてくれている三つ上の先輩。
帰郷するたび色々と世話を焼いてくれる、兄のような存在だった。

七年付き合った彼氏と別れたことを告げる。
先輩は元彼のことも私から聞いた惚気話で嫌というほど知っているし、遠距離恋愛を応援してくれてもいた。

「大丈夫そうには見えないけど。でも紀子は地元にいた方がいいよ。お前は悪くないし、しょうがなかったよ」

そう言って先輩は慰めの言葉をかけると同時に、私の肩を抱いた。

あ、と思った。
兄のようだと思っていたのはそこまでだった。


何よりも大事にしていた彼を自ら手放したという罪悪感に、自暴自棄になっていたのかもしれない。
大好きな彼は私が別れを告げると静かに涙を溢していた。
「二人でいる方法をどうにか考え直せないかな」と、縋らせた。あんなにも優しい彼を。
泣いている彼をみるのは初めてだった。
私が泣かせた。私も死ぬほど泣いた。それでも選び取れなかった。


先輩とセックスをした。
私は拒否しなかった。
久しぶりの抱かれる感覚、男の人の体、優しく撫でてくれる手。

先輩はすごく優しかった。
久しぶりに寂しさが埋まったような錯覚。
後に残るのは虚無感だけだということは強くわかっていたけれど、それでも行為を受け入れた。

先輩の手を握る。
兄だと思っていた、男の人。
たぶんもう会えなくなる。

大好きだった彼とは違うキスの仕方。触り方。
私に跨る男の人を見て、改めて自覚する。

色々なものを私の我儘で身勝手に失っていく。

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