どうせ赤ちゃんできないなら、どうなっても誰も何も構わない
生理不順ってなに?
思春期なんてそんなもんでしょ?
体が大人になれば、毎月安定してくるもんだって。
えだって、じゃあいつから大人なの?

かれこれ2ヶ月以上出血がダラダラ続いていた。
婦人科なんて行ったことないけど、さすがにちょっと不安。
セックスのたびにゴムに着く血を心配がる彼を、これ以上誤魔化しきれない。

駅前を歩いてて、ふと目に入ったレディースクリニックの文字に、今日こそは行こうと思い立った。
初めてだから問診票は細かく書いてねとか、なんとかって検査をして、この検査もしてって訳がわからないまま、やっと「あぁー。」と医師が呟いた。
「これね、ほらブドウ状に連なってるの分かる?これね、排卵障害ね。簡単に言うと不妊症。」
それから先も多分いろいろ説明してたんだろうけど、あまりにも医師が雑に言うから、緊張してドキドキしてた気持ちとか、今まで律儀に避妊してたこととか、自分を大事にしなきゃと思ってた気持ちとか、全部どうでも良くなった。

そうか、不良品か。

その日の帰り道、彼に電話をかけて、私役立たずだからと言って彼と一方的に別れた。


そこから私は、誰彼構わず夜を誘った。
同じゼミの男の子。
友達、とその友達。
初めて行ったクラブで出会った人。
どうせ赤ちゃんできないなら、どうなっても誰も何も構わない。
何かが見つかると思ったのだろうか。
誰かが癒してくれると思ったのだろうか。
それと裏腹に、めちゃくちゃにされるほど虚しくなっていった。

1ヶ月くらい荒れた生活が続いた中で、ぽつんと別れたはずの彼から連絡が来た。
窓の外を見ると彼が待っていた。
外に降りて対峙したとき、何も喋らずとも荒んだ私を見て、悲しそうな顔をして抱きしめてくれた。

そっか、ダメな私でもいいよって言って欲しかったんだ。
泣いた、ただひたすら泣いた。
本当はとても悲しかったんだ。
あなたとの普通の未来を夢見てたから、それが叶わないって言われてショックだった。
でも、それすら言えなかったんだ。
その悲しさの上から塗りつぶせば、少しは楽になると思った私は馬鹿だった。

知ってか知らずか、彼は私を大切に抱いてくれた。
今までの事を洗い流すように。
私の身体に撒かれた種の残滓を追い出すように。

私は初めて
「あなたとの子供が欲しかった」
と言って、また泣いた。
「できるまですればいいじゃん。もしできなくても、一緒にいればいいじゃん。」

そう言って、キスしてくれた。
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