バイバイ、女の私。おはよう、母親の私。
彼とはマッチングアプリで出会った。
一度目は飲みに行って、二度目はご飯を食べに行ってその日は私の家に泊まった。付き合おうと言われ、キスだけして眠りについた。
多分、これが彼との一番幸せな時間だった。

それからは、男女間の嫌な思いを一通り経験した。
女、金、嘘、裏切り、全部。
気が狂いそうになりながら、彼を責めて、謝らせて、許し続けた。


そして出会って1年、妊娠が判明した。

"堕ろして"とは言われなかった。
その代わりに、"結婚しよう"と言われた。
でも今までの不安が邪魔して素直に喜べなかった。

案の定、つわりも出産への不安も私ひとりが抱えて10ヶ月過ごした。
まさに生まれる瞬間も、彼は家で寝ていた。
私は、この子が居ればそれでいいと言い聞かせて笑っていた。

産後は、地獄のような喧嘩を沢山した。
ある時、彼に言われたのだ。
"好きだから結婚したんじゃない、子どもが出来たからだ"
"俺がお前を好きだという前提で、お前は話をするから話が噛み合わない"
"俺がお前を好きじゃないってわかったら今までの全てに辻褄があうだろ"

びっくりした。

ここまで来て、そりゃないぜアンタ。笑ってしまった。

今まで大概の恋愛で、振られてきたと彼は言っていた。
そりゃそうだ。こんなに自己中で自分が一番かわいい男、だれも相手にしないだろう。

だから彼を好きでい続けている馬鹿な私はこんなに悲しい思いをしている。

でもいつか、私も目が覚めて、君なんかいらないって思う日がくるかもしれないよ。
それが明日なのか一ヶ月後なのか、一年後なのか十年後なのかはわからない。
その時に、"今までごめんね"なんて言われても、許してあげないから。

女としての私の幸せは、キスしてにっこり笑ってくれたあの時がピークだったんだ。
あの時の幸せをこっそり胸にしまって、私は母としての幸せを見つけなきゃね。

バイバイ、女の私。おはよう、母親の私。
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