元カノを忘れられない自分。女友達で寂しさを埋める自分。

7年近く一緒にいた彼女と、3ヶ月前に別れた。
理由はお互いの価値観の違いからだった。

高校の同級生だった彼女と付き合い始め、卒業してから2年間は専門学校へ進学したことで遠距離恋愛、さらに卒業してからは2年同棲をした。
お互い初めての相手だった。

遠距離の頃から激しい束縛をされ、いちいち浮気を疑われ、些細なことで喧嘩の絶えない日々を送っていた。

そんな彼女と体を重ねなくなったのは、同棲を始めて半年が過ぎた頃だった。

理屈の通らないことで怒られ喧嘩に発展し、昔はたまらないほどに愛おしく思えた彼女が疲れるだけの相手になっていた。
その頃から俺の性欲もほとんど一切湧き上がってこなくなった。


昨年の秋頃、いつも結婚をほのめかせてきていた彼女が唐突に
「私と結婚する気無いんだよね。」と聞いてくる。

藪から棒だなと思いつつ
「そりゃ、このまま結婚なんかしてもお互い嫌な思いしかしないんじゃない」
と素直に答えた。
「じゃあ地元に帰るね。」
その言葉を聞いた時は、やっとこの日常から抜け出せると喜んだ。

それから別れるまでの間はそれまでと特に変わらない日常を送り、その日を迎えた。
当日は彼女の親が引越しを手伝いに来ると言うから、お互い気まずいしなと思い午前中から俺は目的地もなく車を走らせて時間を潰した。

「もう荷物は全部出したから。それじゃあ。なんか寂しいな。」

そんなLINEを残して、彼女は去っていった。
彼女が使っていた部屋にはチリ一つ残っておらず、綺麗なもんだなと間抜けなことを思っていた。
そこからは自由になった生活を満喫し、彼女こそできていないが久しく味わっていない1人の時間を過ごした。


つい先日、別れた日から連絡をとらなかった彼女からLINEがきた。
「新しい彼氏がさ、一緒にいるのに他の女と連絡とるし普通に電話したりするんだ。」
そんなこと言われても俺にどうしろって言うんだ。

前から「次の男ができたら、あんたにしたみたいに嫉妬したり束縛したり、そういうのは我慢する」と言ってはいたが、少し話を聞くと本当に我慢するどころか短気な彼女が顔にすら出さないようにしているらしい。

あいつが本当に、変わろうとしてるんだな。
俺に散々なことをしてきたくせに、別れて早速新しい男の愚痴かよとも思ったが、昔話をしていると不思議と楽しかったことばかり思い出して少し寂しくなった。
ドライな恋愛がしたいと口には出すくせに、我ながら女々しいなと思う。


「豆乳、買ってきて。」
最近仲のいい女友達から連絡が来た。

早番から上がり、携帯を開いた俺は、勘弁してくれよ疲れてるわ…と怠がりながらも、近所のスーパーで豆乳を買い車を走らせた。

すこぶる自由な友人はお使いを無事こなしてきた俺を部屋に招き入れ、
「豆乳鍋食べようと思ってたのに買い忘れちゃった。あと1人じゃ食べきれないし」とブツブツ言いながら手際良く昼飯の支度をする。

飲食店以外で多分初めて口にする他人が作る料理は、思ったよりも美味しく温かく感じた。
満腹になり早番明けだったこともあり、居眠り運転してしまいそうなくらいの睡魔に襲われた俺は、友人の家で仮眠をとらせてもらうことにした。

どれくらい寝ていたかは知らないが、次に寝ぼけ眼に入ってきたのは無防備に横で眠る友人だった。
たがが外れてしまった。決して今まではそういう関係ではなかったはずだった。
寝ぼけて「結構寝たね」と言う友人に1回、キスをした。

「いいよ」

そこからは事が終わるまで興奮しっぱなしだった。

久々、それも2人目に知る女だったからかもしれない。
頭の中がまっしろになるくらいには行為に没頭していた。
終わると、外はもう暗くなっていた。

「夜ご飯、食べるよね」
昼の鍋に野菜を追加し、〆に中華麺を入れ腹一杯に食い終わると彼女からのLINEに気がついた。

もしかしたら、忘れようとして、寂しくてこんなことをした自分がいたのか。
途端に最悪だなと自分に嫌気がさした。


彼女と別れて、1年半ぶりの行為だった。
相手はただの友人だった。
相手に気があるのかは知らない。

友人が何を思い望んでいるかはよくわからない。

「おつまみ、買ってきてよ」
また突拍子もない連絡に悪態を吐きながら、深夜の大通りに車を走らせる。

なかなか忘れられない元カノとの思い出に蓋をしたい自分。
寂しさから、友人を都合の良い相手にしようとする自分。

前に進めない代償として、2つの戻ることができない関係を作って。
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