抱く時だけ私を綺麗と言う先輩。飲み会だと後輩を可愛いと言う先輩。
金曜日の夜は飲み会だった。
この1週間、ニンジンを目の前にぶら下げられた馬のような気持ちで仕事をするほど、本当に楽しみにしていた。

職場の若手飲み会と言っても、私は正規職員ではない。
昨年度から始まったインターン生のようなシステムに、1期生としてお世話になっている。
今年の2月の終わり頃、やっとのことで先輩に連絡先を聞けて「飲みに行きたいです」と告げ、最近その輪に入れたばかりだった。

そして、連絡先を聞いたその先輩と私はセフレになった。


飲みの席には8人くらいいて、私より一つ下の同じ立場の女の子、川野さんもいた。
川野さんは2週間前に入ったばかりの新人だ。

もちろん、その場にはセフレの先輩もいて心が弾んだ。
私は割り切っていると自分に言い聞かせながら、本当は先輩が好きだったんだと思う。

「川野さん顔が個人的にタイプ、お前はフィリピンパブにいる量産型の顔だな」
先輩は私をネタで引き合いに出して、川野さんに話しかけていた。
「いいじゃん、世界にも通用する美女ってことじゃん?笑」
横目で眺めつつ、つっこみにもならないつっこみを入れて、他に話題を振ったり、飲み物を頼んだりするのが私の役目。

飲み会も終盤に差し掛かった頃、お手洗いに立った私を追いかけてきたのは川野さんだった。

「すみません、私ばっかり褒められて。いつも同じ立場なのにすごいなと思ってます!」

その薄っぺらい言葉を投げられて、私は何かが切れた。

私がいままで1年かけてやっと開いた道を、たったの2週間で何食わぬ顔で歩いている川野さん。一体、彼女は私の何を知っているのだろう。
飲み会に誘われるのは当たり前で、まるで自分が主役だという顔でいる彼女のことが、私は一瞬で嫌になってしまった。

彼女がもう少し、謙虚だったら。
彼女がもう少し、可愛くなかったら。

そんな言葉を心の内で噛み殺しながら、微笑むことしかできなかった。
悪気のない川野さんにそんなことを思ってしまう自分が惨めで、こうやってすぐ機嫌が悪くなる性格も凄く嫌で、とにかく自分が嫌いで泣きそうだった。

席に戻ってからは、ただ飲み物を配る役目をひたすらこなした。


飲み会もお開き、私もなんとか泣かずに解散した。
解散したあと、私たちは別々の方向へ歩き、落ち合い、いつもの夜を過ごす。
帰り道、一緒に歩きながら話をする。
飲み会での一連の出来事を、先輩に見抜かれていた。

「お前、川野嫌いだな。でもな、ごめん、俺はお前の方が当たり前に好きで、お前にそんな顔させる川野はもう呼びたくない」

さっきまで、機嫌が悪かった私はそれだけで救われた。

私は知っている。
先輩が私をセフレとして大事に思っていることを。
だから、手放さないんだということも。

人よりもスタイルだけはそれなりだからこそ、こんな小さなことで機嫌を損ねない”都合の良い女”を演じている限り、あなたは決して私から離れないと思う。

だからその日は、いつもより丁寧にフェラをした。
弱いところをいじめると、私もその分やり返されて、首を絞められて悦んだ。
いじめられてこうやって悦ぶ私にとって、もしかしたら今日の飲み会は長い長い前戯のようなものだったのかもしれなかった。


「やっぱお前は綺麗だよ」
「そういうのは彼女ができたら言ってあげるもんだよ」

「お前がいるならわざわざ彼女つくらんくてもいいや」
「なんやそれ」

頭を撫でられ、もうすっかり私の機嫌は治っていた。

卑屈な私は、そんなところでしか機嫌を保てない。
川野さんに負けたフリをして勝った夜は、彼の腕の中でよく眠ることができた。
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