「きっと見つかるよ、俺の上位互換みたいな人。」
「きっと見つかるよ、俺の上位互換みたいな人。」
そう言ってあの人は去っていった。

お互いのことを熟知し、共感できるポイントが一緒。
のんびり恋愛したい、出かけなくても2人でいられればそれでいい。そんな価値観がぴったりだったあの人。

嫌いな派手髪もタバコもストリート系のファッションも運転してくれないところも、許せるくらいに好きだった。
毛が濃くて肌が綺麗じゃないところがネックだったけど、そんなことも気にならないくらい、盲目になっていた。
行為もそんなに好きではなかったけど、それよりもあの人の愛情を身体で感じたくて、たくさん受け入れた。

死ぬほど好きだったから、わたしにできる全てで一生大事にしようと思っていた。
けど、転勤で遠距離になるからという理由で別れた。
ついていくことも、遠距離恋愛で続けることも、許してはくれなかった。
今思えば、あの人はわたしのことをそんなに好きじゃなかったんだと思う。

あの人と別れてから、それはもう落ち込んで8kgも痩せた。
性生活もおかしくなって、初めて好きじゃない人と寝た。
何も満たされなかったけど、寂しい気持ちは少しずつ減っていって、男の人はあの人だけじゃないと気付くきっかけになった。

そんな生活の中で、この人とは簡単に寝たくない、ちゃんと恋愛したいと思える相手を見つけた。
まさしく、あの人の上位互換みたいな人。
自分の心変わりの早さに少し笑った。
お互いとても気が合い、付き合うまで時間はかからなかった。

地方企業だから遠方への転勤はないし、ちゃんと言葉で愛を伝えてくれるし、派手髪じゃないし、スキンケアだってめんどくさがらずにちゃんとしてる。
髭だって綺麗にしてるし、運転だってしてくれる。
誕生日にはいいホテルを予約してくれる、絵に描いたような素敵な彼氏。
セックスは経験があんまりないからか手つきが覚束ないけど、愛情たっぷりの触れ方で、心が満たされる。


私を振ったあの人は、復縁はありだと言った。
転勤先では恋はしないと言った。
転勤先から戻ってくることもあると言った。
私の心の整理がついたら連絡してもいいよとも言った。

あの人に恋をして、別れて失恋をしてボロボロになったあの人とのことはもう自分にとって忘れてしまいたい過去の一つになっている。

…でも、もし会ってしまったら、揺らいでしまうかもしれない。
いくら今の彼が”上位互換”と言えど、一度は人生をかけて愛していきたいと思った人にかないっこないから。

だから、もう連絡することはない。
私を傷つける人を私は選びたくないから、自分を守るために連絡はしない。


「見つかったよ、あなたの上位互換みたいな人。だからもう本当にさようなら。」
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