8年来の信頼を裏切るなや、アホ
私と彼は中学からの仲で、いわば長年の友達だった。
互いに将来や恋愛に関する真面目な相談をし合う仲であり、
趣味や考えることも似てたからか、純粋に彼と喋るのは楽しかった。
信頼できる大好きな友達だった。
「こいつとはこれから先、例えば互いに就職してからもずっと、こんな関係が続けばいいな」と本気で思っていた。

サシで飲むのも私たちにとっては至極当たり前の行為だった。
飲み以外にもドライブしたりビリヤードしたりと、
二人で遊ぶことに対して互いに何の違和感もなく、友達としていつものことだった。


その日、安い行きつけの居酒屋で彼はいつになくハイペースで飲んでいた。
ウィスキーに梅酒や知多のロック、酎ハイとちゃんぽん状態だ。

「なんか嫌なことでもあったん?」
「別に、ただ今日は飲もうと思って来た」

私はその返事に「あ、そうなん。」とだけ言って流し、
とりあえず違う話題を振った。

夜が深くなり、そろそろ帰るかとなった頃には、案の定彼は潰れかけていた。
結果的に私は彼に肩を貸しながら、歩いて帰ることとなった。
やけに「外寒いな」と言い、私に擦り寄ってくる彼には見向きもせずに、
他愛もない話をしながら歩いた。
すると、いつの間にか自分の家に着いていた。

「解散やな」と言いかけたその時、突然手を繋がれた。

「なぁ、最近寂しくてさ…」
「うん」
「やから…ホテル行かん?」

頭が真っ白になった。

私自身男友達は多いため、男女の友情とは互いの理性のもとで成り立ってて、
いわば薄氷の上にいるような関係性だということは常々理解しているつもりだった。

それでも、お前には、そんなこと言われたくなかった。

「…好きでもない奴を誘うんか」
「じゃあ、付き合ったらいいん?」

平然とそう言う彼に、私は叫びそうになった。
今までの関係が、信頼が、全て崩れ去っていく。
私たちは、友達だろ。
セックスはしないだろ。
そういうのじゃないだろ。

「いやお前を性的な対象として見れへんから、無理」

声を震わせながらそう言うと、彼は分かったと言った。
そして別れる直前になってから、何度も繰り返しこう懇願した。

「頼むから、お前みたいに本音で話せる友達おらんから、このままの関係でいて」

…無理に決まってるでしょ。


結果的に8年間の信頼が崩れた今、私は彼と繋がっていたSNSを全てブロックした。
恋愛的に好きでもない、ただの友達の私にセックスを求めて。
友達でいてという免罪符を私に求めて。
彼があまりにも私との友人関係、あるいは私自身を軽んじているように思えて仕方がなかったのだ。

長い長い友人関係が終わり、今まで通り遊ぶことがもうできないのかと思うと涙が出た。
私は彼を異性としてついぞ見ることはできなかった。
やはり友達は友達だ。
ただ男女の友情というものは、互いの理性が不均衡になった際に崩れ去るものだと、身に染みて感じた。


「お前さ…、8年来の信頼を裏切るなや、アホ」

深いため息と同時に、私は最後に呟いた。
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