交わった後も、ずっと一緒に住んでいる。彼女が婚活を始めた今も。
私が初めて恋愛感情を抱いた相手は、女性だった。
明るくて、ぱっちりした瞳が印象的で、年上だけど小柄な彼女は、私のことを妹のように可愛がってくれた。
優しくされるうちに、私は全く単純なことに彼女に惚れてしまったのだ。
そんな私が彼女と同棲し始めたのは、まだ雪の降る季節だった。
彼女とは同じゲームをやっていて、私の推しと彼女の推しは公式で絡みも多かった。
毎日毎日推しについて話をしては、楽しげな彼女の笑顔に魅了された。
彼女への恋心がどんどん大きくなるのと同時に、同性だからこそ見せてくれる下着姿や、お風呂上がりの無防備な姿に、"そういう欲"も掻き立てられた。
だぼだぼのキャミソールからちらりと乳首が見えたり、着替えを取りに来たと言って何も履かないで私の前に来たり…。
自分の股間に勃起するものが無くて心底良かったと思った。
同棲して2年ほど経った頃。
夜、横に並べた布団に寝転がりながら、お互いの推しとの架空の恋愛話を始める。
「おうちデートしたら何する?」を議題に、ああでもないこうでもないと会話を続けていた。
この映画を一緒に見たい、お昼寝をしたい、ご飯を作ってあげたい…そんな健全な内容から、話はいつの間にかセンシティブなものへと変わっていった。
推しはどんな風に女の子を抱くのか。
前戯はどんな感じか。
私も彼女も、恋愛経験は少ない。ましてや夜の経験なんて、お互いに1度もなかった。
完全に想像の、フィクションから得た知識を頼りに、ジェスチャー混じりで話す。
「きっと、胸とかこんな感じで触りまくるよ、絶対!」
そう言って彼女の体を撫でた。
頭を撫でたり、ハグしたり、そういうスキンシップなら普段からしていたし、今回もその一環のつもりだった。
フェザータッチでするりと体を撫でると、彼女は擽ったそうに身をよじった。
私は彼女の推しになったつもりで、彼女の胸元を撫でる。
服の上からでもわかるツンと立った突起に指の腹が引っかかった時、彼女は短く甘い声を出した。
心臓が痛いぐらい跳ねた。
その声がもっと聞きたくて、もう一度突起を撫でる。
ぴくぴく体を動かしながらも、彼女は抵抗しない。
そんな彼女が可愛くて、もっと触りたくて。すりすり指の腹で撫でたり、爪先でかりかり擦ったり、きゅうっと摘んであげると、腰を時折浮かせながら喘ぐ。
なんで抵抗しないのだろう、その気があるのかな、なんて考えながら、彼女との情事を想像して、じわりと下着を湿らせる。
「多分、口でするのが好きだと思う」
彼女の様子を伺いながら、ゆっくり寝巻きのTシャツを捲り、夜闇に彼女の体を晒す。
肉の少ない体に、つつましい大きさの胸。
小さなそこはぷくっと膨らんでいて、硬くなった先は真上を向いている。
今まで私の心を掻き乱したものを前にしていると思うと、腰の辺りが疼いた。
胸元に口付けて、ちゅぱちゅぱと吸い付くと、彼女の反応はどんどん大きくなる。
夢中で彼女の胸に舌を這わせている時、彼女が私の腕にそっと触れてきた。
「ねぇ……下、ぬれてきちゃった」
声を震わせながら彼女が言う。ごくりと生唾を飲んだ。
「本当?」
「ん……」
お腹を撫でながら、ゆっくり下着の中に手を入れて、彼女の秘部に触れる。
くちゅり、と音がして、彼女は枕で顔を隠した。
ああ、可愛い。可愛くて食べてしまいたい。
「なめていい?」
思い切ってそう聞くと、彼女は枕に顔を埋めながら、1度だけこくんと頷いた。
初めてなめる、他人のもの。私にも、彼女と同じものが付いている。
柔らかくて、ツルツルとした感触、少ししょっぱい味。
枕に顔を埋めて、必死に喘ぎ声を抑える彼女。
必死に舌で愛撫を重ねながら、彼女が前に私に言った言葉を思い出す。
「将来は結婚して子供が欲しいんだよね、あなたが男性だったらなぁ」
そこをなめた後は、後始末をしてすぐに寝た。
これ以上はダメと、やんわり止められたからだ。
さっきまでの夢のような時間は何かの間違いだ。
私は最初から彼女に恋愛対象として見られていない。
次に彼女の裸を見て、その肌に触れる人間は、きっとどこぞの知らない男だろう。
そうしてその男は、きっと私の知らない彼女の中まで知っていく。
順当に行けば、新たな命を彼女との間に授かるのだろう。
それから1年が経った今でも、私は彼女と一緒に暮らしている。
彼女と"そういう事"をしたのはそれきりだった。
あの夜から何も、私たちの生活は変化していない。
真剣に婚活を始め、未来へ歩き出す彼女を、私はあの夜に取り残されたまま見送っている。
あぁ、私が男なら、あなたを独り占め出来たのに。
明るくて、ぱっちりした瞳が印象的で、年上だけど小柄な彼女は、私のことを妹のように可愛がってくれた。
優しくされるうちに、私は全く単純なことに彼女に惚れてしまったのだ。
そんな私が彼女と同棲し始めたのは、まだ雪の降る季節だった。
彼女とは同じゲームをやっていて、私の推しと彼女の推しは公式で絡みも多かった。
毎日毎日推しについて話をしては、楽しげな彼女の笑顔に魅了された。
彼女への恋心がどんどん大きくなるのと同時に、同性だからこそ見せてくれる下着姿や、お風呂上がりの無防備な姿に、"そういう欲"も掻き立てられた。
だぼだぼのキャミソールからちらりと乳首が見えたり、着替えを取りに来たと言って何も履かないで私の前に来たり…。
自分の股間に勃起するものが無くて心底良かったと思った。
同棲して2年ほど経った頃。
夜、横に並べた布団に寝転がりながら、お互いの推しとの架空の恋愛話を始める。
「おうちデートしたら何する?」を議題に、ああでもないこうでもないと会話を続けていた。
この映画を一緒に見たい、お昼寝をしたい、ご飯を作ってあげたい…そんな健全な内容から、話はいつの間にかセンシティブなものへと変わっていった。
推しはどんな風に女の子を抱くのか。
前戯はどんな感じか。
私も彼女も、恋愛経験は少ない。ましてや夜の経験なんて、お互いに1度もなかった。
完全に想像の、フィクションから得た知識を頼りに、ジェスチャー混じりで話す。
「きっと、胸とかこんな感じで触りまくるよ、絶対!」
そう言って彼女の体を撫でた。
頭を撫でたり、ハグしたり、そういうスキンシップなら普段からしていたし、今回もその一環のつもりだった。
フェザータッチでするりと体を撫でると、彼女は擽ったそうに身をよじった。
私は彼女の推しになったつもりで、彼女の胸元を撫でる。
服の上からでもわかるツンと立った突起に指の腹が引っかかった時、彼女は短く甘い声を出した。
心臓が痛いぐらい跳ねた。
その声がもっと聞きたくて、もう一度突起を撫でる。
ぴくぴく体を動かしながらも、彼女は抵抗しない。
そんな彼女が可愛くて、もっと触りたくて。すりすり指の腹で撫でたり、爪先でかりかり擦ったり、きゅうっと摘んであげると、腰を時折浮かせながら喘ぐ。
なんで抵抗しないのだろう、その気があるのかな、なんて考えながら、彼女との情事を想像して、じわりと下着を湿らせる。
「多分、口でするのが好きだと思う」
彼女の様子を伺いながら、ゆっくり寝巻きのTシャツを捲り、夜闇に彼女の体を晒す。
肉の少ない体に、つつましい大きさの胸。
小さなそこはぷくっと膨らんでいて、硬くなった先は真上を向いている。
今まで私の心を掻き乱したものを前にしていると思うと、腰の辺りが疼いた。
胸元に口付けて、ちゅぱちゅぱと吸い付くと、彼女の反応はどんどん大きくなる。
夢中で彼女の胸に舌を這わせている時、彼女が私の腕にそっと触れてきた。
「ねぇ……下、ぬれてきちゃった」
声を震わせながら彼女が言う。ごくりと生唾を飲んだ。
「本当?」
「ん……」
お腹を撫でながら、ゆっくり下着の中に手を入れて、彼女の秘部に触れる。
くちゅり、と音がして、彼女は枕で顔を隠した。
ああ、可愛い。可愛くて食べてしまいたい。
「なめていい?」
思い切ってそう聞くと、彼女は枕に顔を埋めながら、1度だけこくんと頷いた。
初めてなめる、他人のもの。私にも、彼女と同じものが付いている。
柔らかくて、ツルツルとした感触、少ししょっぱい味。
枕に顔を埋めて、必死に喘ぎ声を抑える彼女。
必死に舌で愛撫を重ねながら、彼女が前に私に言った言葉を思い出す。
「将来は結婚して子供が欲しいんだよね、あなたが男性だったらなぁ」
そこをなめた後は、後始末をしてすぐに寝た。
これ以上はダメと、やんわり止められたからだ。
さっきまでの夢のような時間は何かの間違いだ。
私は最初から彼女に恋愛対象として見られていない。
次に彼女の裸を見て、その肌に触れる人間は、きっとどこぞの知らない男だろう。
そうしてその男は、きっと私の知らない彼女の中まで知っていく。
順当に行けば、新たな命を彼女との間に授かるのだろう。
それから1年が経った今でも、私は彼女と一緒に暮らしている。
彼女と"そういう事"をしたのはそれきりだった。
あの夜から何も、私たちの生活は変化していない。
真剣に婚活を始め、未来へ歩き出す彼女を、私はあの夜に取り残されたまま見送っている。
あぁ、私が男なら、あなたを独り占め出来たのに。