「恋愛は自由だと思う。けど、自分がその対象になったら気持ち悪いかなぁ」
これは私が高校生のころの話。
文化祭の準備期間に誰かに恋をする、ありきたりでよくある話。

平凡な私も君に恋をした。最初はただの友達だった。
でも、誰にでも優しいのに本当は少し毒があるとことか、控え目で大勢の場所では大人しいのに、仲良しグループの中ではゲラでよく笑うとことか、すごく家族思いなとことか、そんな君を知るたびになぜか嬉しかった。好きになっていった。

正直、準備の仕事はあんまり好きじゃなかったけど、それでも毎朝早くに家を出て準備してたのは、クラスも授業も被らない君と少しでも一緒にいたかったから。

文化祭準備の仲良しグループは君と私とあと2人の女の子で、みんなオタクだった。
その日もいつもの様にオタク話をしていて、1人のBL、GL大好きオタクがそういう同人誌の話題を出すと同性愛の話になった。
仲良しグループと言えど、文化祭準備のために組まれた組織内でのグループで、関われる期間が限られており、その日がBLGLの話題が初めてでる日だったから確認から始まった。


「BLとか大丈夫?」

私はほんの少しだけ焦った。
女の私が好きなのは、同性の女の子の君だから。
ここで同性愛を否定されてしまったら、この気持ちも否定されてしまうから、でもみんな同人誌とか好きだし、大丈夫だろってタカをくくってた。

「全然大丈夫だよ〜」

だよね!とほっとしたのもつかの間、返答には続きがあった。

「そういう人たちがいるのを否定するつもりも何もないし、恋愛は自由だと思う。けど、自分がその対象になったら気持ち悪いかなぁ。」


心がスっと冷たくなった。
そっか。ごめんね。
私、あなたをその対象にしてた。気持ち悪かったね。

同性愛をむしろ頭ごなしに否定してくれた方がよかった。
それなら同性愛者はみんな君にとって受け入れられない人間だから。
君の回答じゃ、他の同性愛者は受け入れられるのに、私だけが受け入れられないと感じてしまうから。
そんなの思っちゃいけない、と我に返る。

君を好きというだけで、私は君にとって気持ちの悪い存在になってしまうことがショックで、その後の話は全て忘れてしまった。

みんなが同性愛を受け入れられる訳ではないなんて、知ってたのに。


私は好きだった気持ちをなかったことにして、友達でいることを選んだ。
友達として普通に笑いあったりハグしたり、楽しかったけどつらかった。
君の特別になりたかった。

そう思ってるうちに高校生活は終わりを迎えた。
卒業してから連絡もそうしなくなってしまったけど、また遊ぼうね。

ごめんね、すきだったよ。でもこの気持ちは言わずに墓場まで持って行くね。
わたしは最初から最後までただの友達でいるよ。
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