私はもう童貞を演じられなくなってしまった
⚠この純猥談は浮気表現を含みます。
カーストで言うと下の中あたりの、特徴もない男に分類されると思う。
そんな私の特技は、誰かにとっての特別感を出すことだ。

人の目を気にして自己嫌悪に陥るから、中学の頃から心のお薬と友達だった。
中学時代にできた彼女は、私が心の話を唯一打ち明けた人だった。そんな設定だった。
部活が一緒で、家が近くて、深い話をするようになって付き合うようになって、初体験を迎えるまで、教科書通りの筋書きだった。
彼女は、私の唯一という使命を全うするために本当に尽くしてくれた。

ひょんなことから、別の人に打ち明けることになってしまった。
彼女が唯一でなくなってしまったのだか、その子もまた私の唯一になろうと尽くしてくれた。
求められることで得られる心の安定を知ってしまった。

彼女には卒業式の日に、別の高校だからと言う、とってつけた理由を伝え、連絡するのをやめてしまった。


そこからは、特定の彼女を作りはしないが、私の唯一になろうとしてくれる子を何人も何人も。
2人だけの秘密を徹底して、コミュニティも分けて。

何度も私は童貞に戻っていた。
そうして、求めてくれる女の子たちに、私は依存していった。


大学1年の冬だった。
私と付き合えないことがわかると、途端に離れていく子もいた中で、何回も何回も、告白し続けてくれる子が現れた。

きっと、この子と付き合うのが正解なんだろう。
そう思って、半年かけて全ての女の子との関係を絶って、告白を受け入れた。25回目の告白だった。

そこから、今までは2人の秘密だったからできなかったことを、洗いざらい全てこなしていった。
思いつくデートスポットは大体行ったし、思いつくプレゼントはあげたし、誰よりも良いカップルを目指し続けた。

居候の形で同棲もして、お互いの両親からも公認になっていた。
お薬も、予約日をすっぽかして以来、もらいに行ってなかった。

かつての女の子たちとの経験値は、この子から得られる経験値の足元にも及ばなかった。
ただ、私に身についていたボーナススキルは、汚いものだった。

卒業論文執筆真っ只中のある日。
彼女の表情、語尾、声色、全てが臭かった。

先に寝た彼女の枕元で光る、携帯の通知が眩しくて仕方なかった。
携帯は、彼女の親指を借りると、簡単に秘密を打ち明けてくれた。
彼女の最後の送信履歴は、私の男友達に送った「私、上手だった?♡」だった。

気持ちが悪かった。
彼女に対して、自分に対して、友達に対して、
秘密って、こんなに臭くて気持ちが悪い物なのかと。

彼女は、どんなことでもするから、付き合っていてほしいと言った。
私は、今までの行いを全て話したうえで、好きにすると伝えた。
そして好きにした結果、卒業式までに彼女はどこかへ行ってしまった。

心の安定が土台ごと崩れ去ってしまった私が頼れるのは、薬と女の子だけだった。

ただ、前のようには女の子に接せられなかった。
自分への嫌悪感に押しつぶされそうになっていたから、女の子に縋るしかなかった。

身体が、脳が、こなれてしまった。
歳もとってしまった。
経験値を得てしまったのだ。

もう、私は童貞を演じられなくなってしまったし、唯一を演じることもできなくなっていた。
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