私は自分が選んだ人、もしくは好きな人に抱かれたことがなかった
私は自分が選んだ人、もしくは好きなと人とセックスをしたことがなかった。

私がとても不細工で選択権がそもそもこちらになかったからだ。
つまりはある意味私を必要としている人としか、寝たことがない。
私は承認欲求の塊みたいなものだから、それが満たされれば良いので、特にそれを嫌だと思ったことはなかった。
我慢していれば終わることなので、どんな人とでも結構寝ることができてしまう。
目を瞑ったオナニーみたいだ、と思う。

いつも「自分を大切にした方がいい」と色んな人に言われてきたけれど、その「大切にする」って何だろうとずっと思っていた。全く意味が分からなかった。
私にとって、セックスはコミュニケーションの一つ。その人と仲良くなる為だったら、話しやすくなる為だったら、簡単に出来る事だった。


相手の気持ち悪い囁き。
雑談もさせてくれないまま服を脱がされて、ベッドの横に脱ぎ捨てられた服たち。
行為が終わった後にその服を着ると、なんだか気持ち悪かった。
ねっとりした気持ち悪さがあるように感じた。
どんなに素敵だと思っていた大切な服もなんだか気持ち悪くなって、暫く着られなくなったり、捨ててしまったりすることもあった。

特にそれ自体がおかしいとは思ったことはなかった。ただ、なんだか服がもったいないし嫌だなぁと思っていた。だから、そういう事をするとわかっている時は、どうでもいい安い服を着て行った。


先日、人生で初めて好きな人とセックスするチャンスがあった。

本当に本当に好きで、好きだけど、簡単に好きとは言ってはいけない相手。ずっと我慢していた。今から10年経っても本当に好きでいられたら、彼も結構おじいちゃんだし、気持ちを伝えてみようと思っていた相手との行為。


その日はお酒に弱い彼が結構飲んでいて、へろへろになっていた。
私はもう少しお酒が飲みたかったので、無理矢理彼の家で、二次会をしていた。
ベッドに倒れこんだ彼に「大丈夫ですか」と聞いてみたら、おもむろに手を引かれる。お恥ずかしい話だが、これがお酒の勢いってやつだろうか。

彼との行為は、熟成された大人のセックスという感じで、非常によかった。
中年の人のたっぷりとした重厚感のある体にのしかかられて抱きしめられる。
あの重厚感がたまらなく好きだと感じた。
承認欲求が満たされるのと裏腹に、到底自分のことを好きになってくれなさそうな人に抱かれるのは、とても切なかった。


事が終わった後に脱ぎ捨てた服を拾って自分の部屋に帰る。
いつものように、下着を脱いだり、服をしまったりする。
何か、違和感を覚えた。
これまで毎度感じていた、ねっとりとしたあの嫌な感覚が無かった。驚きしかなかった。
初めて大切な服が大切なままひっそり輝いていたのを感じた時、少し泣きたくなった。


その時どんな服を着ていたか、前だったら必ず覚えていて着なくなっていたのに、今回ばかりはそんな感覚はなかった。
たまたまだと思ったけれど、その後も彼と寝たときの服は気持ち悪く感じることなく、大切な服のまま大切に着ることができていた。


色んな人と色んな形で、キスやセックスをする。
それでいっぱい傷いて、迷ったり後悔したりする事は沢山あったけど、自分の中にある大切なものを見つける為に自分なりに生きていいはずで。
不器用なやり方でも自分を愛してもいいんだなと思った。

とりとめもないけれど、私にとっての小さな気付きだった。
 ツイートする
おすすめの純猥談
助演のわたし
⚠この純猥談は浮気表現を含みます。
つづ さんからの純猥談
つづきをよむ >
「今日で最後だから、もう一回だけしよう?」
⚠この純猥談は不倫表現を含みます。
スライム さんからの純猥談
つづきをよむ >
風俗嬢まりんの性愛テクニック講座
平凡妻 さんからの純猥談
つづきをよむ >