ごめんね、つまんない女になったからさ
大学3年生の時、マッチングアプリでひたすら男に会ってセックスをしまくっていた。ただセックスするのじゃつまらないから、話をしても面白そうな人を選んで。

ありふれたしょうもないセックスライフを送る中で、年下の絵描きの男の子とマッチングした。
会って話してみると期待通りの不思議な感性をしていて、「当たりだなぁ」と私はぼんやり思った。ニッチなアートや映画の話、絵描きとしてのキャリアの話、全部面白くてどうでも良かった。
狭いロフトの上で私は彼を押し倒し、弄ぶように何度もイく直前で寸止めさせまくった。年下の彼はされるがままに喘いでいて、最後の最後にようやく射精出来たあとは恍惚とした表情で私を見つめていた。

全部が予定調和だった。私は満足した。

一度満足すると、もう本当に全部どうでも良くなる。
また会おう、好きになった、付き合いたい。
何で二度目は会えないんだ、君の絵を描いた、会いたい、好きだ。
LINEが何度もきた。本当に全部がつまらなくて愛らしかった。

誰とでもセックスをするくせにもう会ってくれない私に苦しんでいる彼は、
さながら真夏のコンクリートで悶え干からびていくミミズのように惨めだった。
私は完全に彼の心を搾取していた。
もっと苦しめと思った。
もっと焦がれて焦がれて本当に干からびちゃえ。

「君は虫を見るように俺たちを見てる」

その通りだった。
LINEの通知を全部切ってから数週間後、連絡はぱたりとなくなった。


半年後、普通に彼氏が出来た。
彼氏は優しくて、ありのままの私が好きだと言ってくれた。あんなにはまった昆虫観察のような男漁りもぱったりとやめて、私は普通に恋愛をしていた。

彼氏が出来てから数ヶ月後、何の脈絡もなく絵描きの彼から着信がきた。私はその時1人でハンバーガーを食べていて、暇だから気まぐれに電話に出た。
彼は少し驚いていたけど、私は構わず近況をのらくらと話した。好きな人が出来て付き合ってること。でも喧嘩したり、関係性が不安だったりでどうたらこうたら。来月は旅行行くんだけどね、等々。しばらく適当に話していると、彼が不意に呟いた。

「つまんない奴になったね」

負け惜しみのようでもあり、本気で落胆しているようでもあった。それから少し話した後通話は切れて、LINEは向こうからブロックされていた。

そう、つまんない奴になったのよ。
私はハンバーガーをムシャムシャ食べて心の中で呟いた。
そんで、それで良い。
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