奥さんをちゃんと愛してて、みんなに平等に優しい彼が好き
彼と会えるのは仕事の時。
それ以外では、家が近所なのもあって、私が彼氏と、彼が奥さんと、それぞれ一緒にいる時に近所でたまたま1回会った。それくらい。
シフトが出ればまず最初に彼と出勤が被る日を探す。
店閉めが2人の日があれば、私は前日から少し張り切る。
オシャレしているとはバレない程度にちょっと可愛い服を選んで、化粧もちょっとだけ丁寧にして、意味もなくお気に入りの下着を着けて行く。
だけど彼はそんなのも露知らず、私のことをただの部下としか見ていない。
店閉めが終電に間に合わなさそうになった時、彼は私が終電に間に合うように先に帰す。
部下をちゃんと帰らせないと、って気遣う彼の優しさだって分かってる。
だけどそんな優しさいらない。優しくなんかしないで欲しい。
彼は車通勤だから、もし終電を逃したら送ってもらえるかも。
もしかしたらその後「どっか寄る?」とか言われるかも。
なんて私の淡い期待は、彼の気遣いと優しさによってことごとく潰されていく。
たまに思う。
彼がすごく軽い男で、「1発やらせてよ」とかそういうタイプの人だったらどうなっただろう、と。
ううん、そういう人だったら好きになってない。
会社のみんなに奥さんの話をするくらい奥さんをちゃんと愛してて、みんなに平等に優しくて、終電に間に合うように部下を帰して残った仕事を全部1人でやるような、そんな彼だから好きになってしまったんだ。
彼氏と別れて彼となんて思ってないし、私から手を出すつもりも誘ったりするつもりも一切ない。
もちろん奥さんがいてもいいからなんて事も思ったことない。
だけど、奥さんを愛していて、私の事をなんとも思っていないのなら。
私の何気ない話を小さい事まで全部覚えていたり、重い物を持ってくれたり、冬場に外で作業をする私にわざわざコンビニで手袋を買ってきてくれたり、たまに私のところにどうでもいい話をしに来たりしないで欲しい。
彼氏は私の話なんて半分くらいしか聞いてないし、聞いていた半分も覚えてないし、寒ければ1つだけ暖かいコーヒーを買ってくるような人で。
もともとそんな不器用なところも好きだったはずなのに、彼を好きになってからどうしても比べてしまう。
付き合っているのが彼だったらな。奥さんはいいな、幸せだろうな。
「終電あるでしょ、先に帰っていいよ」と1人で店閉めをする彼を残して、昨日期待を込めて選んだ服に着替える。
次もまた、私は服と下着を選んで、丁寧に化粧をして、
そして誰にも見せる事なく1人で帰るのだろう。
それ以外では、家が近所なのもあって、私が彼氏と、彼が奥さんと、それぞれ一緒にいる時に近所でたまたま1回会った。それくらい。
シフトが出ればまず最初に彼と出勤が被る日を探す。
店閉めが2人の日があれば、私は前日から少し張り切る。
オシャレしているとはバレない程度にちょっと可愛い服を選んで、化粧もちょっとだけ丁寧にして、意味もなくお気に入りの下着を着けて行く。
だけど彼はそんなのも露知らず、私のことをただの部下としか見ていない。
店閉めが終電に間に合わなさそうになった時、彼は私が終電に間に合うように先に帰す。
部下をちゃんと帰らせないと、って気遣う彼の優しさだって分かってる。
だけどそんな優しさいらない。優しくなんかしないで欲しい。
彼は車通勤だから、もし終電を逃したら送ってもらえるかも。
もしかしたらその後「どっか寄る?」とか言われるかも。
なんて私の淡い期待は、彼の気遣いと優しさによってことごとく潰されていく。
たまに思う。
彼がすごく軽い男で、「1発やらせてよ」とかそういうタイプの人だったらどうなっただろう、と。
ううん、そういう人だったら好きになってない。
会社のみんなに奥さんの話をするくらい奥さんをちゃんと愛してて、みんなに平等に優しくて、終電に間に合うように部下を帰して残った仕事を全部1人でやるような、そんな彼だから好きになってしまったんだ。
彼氏と別れて彼となんて思ってないし、私から手を出すつもりも誘ったりするつもりも一切ない。
もちろん奥さんがいてもいいからなんて事も思ったことない。
だけど、奥さんを愛していて、私の事をなんとも思っていないのなら。
私の何気ない話を小さい事まで全部覚えていたり、重い物を持ってくれたり、冬場に外で作業をする私にわざわざコンビニで手袋を買ってきてくれたり、たまに私のところにどうでもいい話をしに来たりしないで欲しい。
彼氏は私の話なんて半分くらいしか聞いてないし、聞いていた半分も覚えてないし、寒ければ1つだけ暖かいコーヒーを買ってくるような人で。
もともとそんな不器用なところも好きだったはずなのに、彼を好きになってからどうしても比べてしまう。
付き合っているのが彼だったらな。奥さんはいいな、幸せだろうな。
「終電あるでしょ、先に帰っていいよ」と1人で店閉めをする彼を残して、昨日期待を込めて選んだ服に着替える。
次もまた、私は服と下着を選んで、丁寧に化粧をして、
そして誰にも見せる事なく1人で帰るのだろう。