この先もやっていけると信じていた。例え一生抱かれなくても。
元彼はセックスをしない人だった。
恋愛感情はあるから付き合ったりはするけれど、したいとは思わなくて、逆に嫌悪感があると話していたのを覚えている。
だから、付き合っていても肌で愛情を感じることはできず、かと言って言葉で伝えてくれる訳でもなく、次第に彼との関係はマンネリになった。
それでも、私は一緒にいて楽しくて、いつか結婚するんだと思っていた。

当時私は会社の1人部署で仕事をしており、周りの理解を得られず冷遇されていた。
少し化粧を変えると「調子に乗ってる」などと言われるようになり、人生で一番ドン底の毎日をすごしていた。
彼に相談すると「寝る前にそんな話するから、眠くなくなっちゃったよ」と言いながら一緒に怒ってくれて、
何度も「泣かないで」と言いながら体をさすってくれた。
直接的な愛情表現はなくても、大切にされているのを感じられた。

彼が伝えてくれた少ない愛情を宝物みたいにして、それを信じ続けることでこの先もやっていけると思っていた。
例え一生セックスをしなくても。


転職して精神的な安定を取り戻し半年ほど経ったころ、彼が家に泊まりに来るのを待っていた時だった。

「ごめん、行けない。突然だけど別れよう」

急いで電話をして、泣きながら訳を聞いた。
彼の主張する「ぬるま湯に浸かっているようで嫌だ」という理由がピンと来ず問い詰めると、本音が出てきた。

「スキンシップが無理」

男女の関係でそんなことを言ったら元も子もないから言えなかった、と彼は泣きながら話していた。

セックスでないと埋まらない愛情は確かにあって、私はそれに気付かないふりをしていた。
でも上手くいかなかった。
距離を詰めすぎて、嫌がることを無自覚にしてしまっていたんだと思う。
「嫌だ、別れたくない」と言っても、彼は何度も「ごめんね」と謝るだけだった。

人生で一番辛かった時に支えてくれたのに、その貴方があの時より辛い思いを私にさせるのか。
セックスしてくれなかったのは、単に私の外見が好みではなかったんじゃないか。
勢いで付き合っただけで、私のことなんてたいして好きではなかったんじゃないか。

当時はどうしても納得できなかったけれど、
距離を置いて離れてからは、
彼なりに大事にしてくれていて、あの時感じた愛情は間違いなかったんだろうと思っている。


彼が別れの電話で「俺と別れた人はすぐに結婚するんだ」と言っていた。
その宣言通り私にはすぐに新しい相手ができ、順調過ぎるくらいことが進んでいる。

私は君と出来なかったセックスも、結婚もしてくれる人を見つけることができたよ。
あなたと同じ映画が好きで、それをキッカケに出会った人だよ。

もうお互いの近況を知ることはないけれど、あなたもきっと、今度こそ、同じ価値観の人に出会えていることを願っています。
お互い幸せになれるといいね。
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