周りの友達は彼氏ができて、旦那ができて、子供も産まれた。
私、1人だけ置いてみんなは時間が進んでるようで怖かった。
26歳になるのに彼氏ができないまま1人ぼっちで、今日もアプリで彼氏を探してた。

実際に会うとみんなホテルに行きたがった。
「可愛い」「めっちゃタイプ」
やりたいがためのお世辞だって理解してる。
でもそれ以外で相手してくれる男の人なんていないから、私はそれに嬉しそうに応えることしかできない。

「身体を求められるのは私が女として認められているからだ」
わかってる。そんなことないってわかってる。

1回してしまうともう連絡が来ないことが多かった。
また会いたいと連絡してくれる人もいたけど、もちろんセフレとしてだった。
私を恋愛対象の女として見てくれる人はいなかった。


そんな時、マッチしたのは2年前に友達主催の合コンで出会った人だった。
会った時にすぐにわからなくて、ホテルでした後にお互い気づいた。
気まずいからもう会わないんだろうなって思ってたのに、その後も私に会いたいと連絡をくれた。そうして1年が経った。
私から会いたいと言わなくても、ずっと会いたいと連絡してくれた。
私がデリヘル、メンズエステなどの風俗をしていたと告げても「可愛いもんね！きっと人気だったんだろうね！」と笑顔でキスしてくれた。

私がタバコが苦手と言ったらやめてくれた。
私がマッチョが好きと言ったらジムに通いだした。
会うのはホテルだけだったけど、好きでいてくれていると思いたかった。

初めて自分からホテル以外のデートがしたいと言った。
「楽しみにしてる！」その返事が死ぬほど嬉しかったのをよく覚えている。
初めて好きな人とデートができるのを私も楽しみにしていた。

でもデートはドタキャンされた。
その後もどうしても会いたいというから、ドライブならと了承した。
あの日のドタキャンを謝りもせず「会えて嬉しい！」と言った彼は結局私をホテルに連れ込んだ。
悲しくて、嫌になって、やっぱり私は恋愛対象にはなれないんだと絶望して。

私はその日初めてするのを拒否した。
彼は帰り道、一言も話さなかった。
家に帰ってから大人になって初めてというほど号泣した。

期待しなければよかった。私が愛されるはずなかった。
アプリで初めて会った男とすぐにやってきたような軽い汚い女を好きになる人などいないのだ。
風俗で働いている女を彼女にしたいと思う人などいないのだ。


それでもまだ誰かに愛されたくて仕方なくて。
ただ、このままの私を変える体力も余裕も今の私にはなくて。
だからきっと、このままの私を愛してくれる運命の人がいるはずなのに、まだ出会えないだけなんだ。
今はそう考えるしかないのだ。

早く見つけ出して。私を愛して。私に好きと言って。
やめたはずのアプリをインストールして、また誰かを探している。
今日もマッチできた。最高の男ウケメイクをして。可愛い服を着て。可愛い下着をつけて。
生理の日が被らないように会う日を指定して。

今日も男に会いに行く。待ち合わせは夜。ラブホの近くの洋食屋さん。
きっと美味しいご飯をたべて素敵な夜景をみて。楽しかったと笑顔で帰って、次のデートを約束をする。

今度こそ、今度こそはと。