彼氏に抱かれながら、大好きな彼女を想いながら、私は処女を卒業した。
高校1年生の冬、初めて女の子を好きになった。
同じ部活で、毎日一緒に下校していた。
凄く仲が良くて、一緒にいて楽しくて、馬鹿みたいな話で盛り上がって。
私以外にも色んな友達から好かれてて、自慢の親友であり、憧れだった。
人として、友達としての「好き」が、恋としての「好き」に変わったのはいつからだろう。
移動教室の時の廊下、週に一回の全校朝会。朝の登校時の通学路。
気がついた時には彼女の姿を目で追っていた。
違うクラスだった彼女とは授業終わりの部活でしか会えなかったから、暇さえあれば彼女の姿を探していた。
部活が楽しみで楽しみで仕方なくて、授業中はいつも彼女のことを考えていた。
こんな感情、今まで男の子にしか抱いたことないのに。
当時付き合って1年が経つ彼氏がいた私には、素直に彼女に対して抱いてしまった恋愛感情を認めることが出来なかった。
私のことを愛してくれて、いっぱい好きって伝えてくれる大事な大事な彼氏。
どんどん彼女を好きになっていくにつれて、友達として接してくれる彼女に対する後ろめたさと、好きだと伝えてくれる彼氏に対する罪悪感で胸が押し潰されそうだった。
好きになってごめん。友達なのにごめん。
こんなに愛してくれてるのに、違う人を、それも同性の女の子を好きになってごめんなさい。
彼女も彼氏も裏切りながら関わり続ける自分がどうしようもなく嫌いでしかたがなかったけど、それでも、彼女に対する気持ちを消すことは出来なかった。
彼女を好きになって何ヶ月かが経った頃、いつも通りの帰り道。
ふいに彼女から、
「実は彼氏出来たんだよね。」
と、報告を受けた。
「え、えっ!マジか。おめでとう!!」
「ありがと〜!!」
「でさ、ちょっと恥ずかしい話なんだけど、彼氏と初えっちが上手く出来なくてさ。
まゆか、彼氏と結構長いじゃん?ちょっと相談に乗って欲しくて…」
目の前が真っ白になった。
彼氏。初えっち。
彼女に対して好きという気持ちを自覚した時から失恋はしていたけど、
いざ彼女が恋をして、男子とお付き合いをしてるという事実は私の心をどん底に突き落とした。
やっぱり私は女で、彼女に気持ちを伝えることは出来なくて、
例え伝えたとしても、彼女の恋愛対象は男で。
私がいくら好きで彼女を幸せにしたいと思っても、その役割は出来ないんだ、と。
彼女の相談には適当に相槌を打つしかなかった。
彼女に彼氏が出来て、初えっちも済んでいるというショックも大きかったが、私はまだ処女だったのだ。
行為自体が怖かったというのもあるけど、
女の子を好きになった時点で自分自身の性別に対して嫌悪感を抱いていたから、
もし男性としてしまったら自分は本当に女の子になってしまうような気がして、どうしても出来なかった。
彼氏はとても優しかったから、
「まゆかが怖くなくなるまで待ってるよ」
と、付き合って1年も経つのに待ってくれていた。
でももう、怖いとか、女とか、全部がどうでよくなってしまった。
その日の帰り、私は彼の家を訪ねた。
「おっす。」
「おお、いきなりどした?」
「抱いて。」
「え?」
「ずっと怖かったけど、〇〇の事考えてたら会いたくなって、触れたくなったから来ちゃった。」
そう言うと、彼はとても嬉しそうに私を招き入れ、ベッドへ促した。
初めて見せる体、初めて聞かせる甘い声。
あぁ、きっと彼女も大好きな彼氏にこういう姿を見せたんだ。
そしてきっと、彼女のそんな女の子として見せる声や表情は、
たとえ私が彼氏と別れたとしても、
彼女が彼氏と別れたとしても、
私には絶対見せてくれないもので。
彼氏に抱かれながら、
大好きな彼女を想いながら、
私は処女を卒業した。
同じ部活で、毎日一緒に下校していた。
凄く仲が良くて、一緒にいて楽しくて、馬鹿みたいな話で盛り上がって。
私以外にも色んな友達から好かれてて、自慢の親友であり、憧れだった。
人として、友達としての「好き」が、恋としての「好き」に変わったのはいつからだろう。
移動教室の時の廊下、週に一回の全校朝会。朝の登校時の通学路。
気がついた時には彼女の姿を目で追っていた。
違うクラスだった彼女とは授業終わりの部活でしか会えなかったから、暇さえあれば彼女の姿を探していた。
部活が楽しみで楽しみで仕方なくて、授業中はいつも彼女のことを考えていた。
こんな感情、今まで男の子にしか抱いたことないのに。
当時付き合って1年が経つ彼氏がいた私には、素直に彼女に対して抱いてしまった恋愛感情を認めることが出来なかった。
私のことを愛してくれて、いっぱい好きって伝えてくれる大事な大事な彼氏。
どんどん彼女を好きになっていくにつれて、友達として接してくれる彼女に対する後ろめたさと、好きだと伝えてくれる彼氏に対する罪悪感で胸が押し潰されそうだった。
好きになってごめん。友達なのにごめん。
こんなに愛してくれてるのに、違う人を、それも同性の女の子を好きになってごめんなさい。
彼女も彼氏も裏切りながら関わり続ける自分がどうしようもなく嫌いでしかたがなかったけど、それでも、彼女に対する気持ちを消すことは出来なかった。
彼女を好きになって何ヶ月かが経った頃、いつも通りの帰り道。
ふいに彼女から、
「実は彼氏出来たんだよね。」
と、報告を受けた。
「え、えっ!マジか。おめでとう!!」
「ありがと〜!!」
「でさ、ちょっと恥ずかしい話なんだけど、彼氏と初えっちが上手く出来なくてさ。
まゆか、彼氏と結構長いじゃん?ちょっと相談に乗って欲しくて…」
目の前が真っ白になった。
彼氏。初えっち。
彼女に対して好きという気持ちを自覚した時から失恋はしていたけど、
いざ彼女が恋をして、男子とお付き合いをしてるという事実は私の心をどん底に突き落とした。
やっぱり私は女で、彼女に気持ちを伝えることは出来なくて、
例え伝えたとしても、彼女の恋愛対象は男で。
私がいくら好きで彼女を幸せにしたいと思っても、その役割は出来ないんだ、と。
彼女の相談には適当に相槌を打つしかなかった。
彼女に彼氏が出来て、初えっちも済んでいるというショックも大きかったが、私はまだ処女だったのだ。
行為自体が怖かったというのもあるけど、
女の子を好きになった時点で自分自身の性別に対して嫌悪感を抱いていたから、
もし男性としてしまったら自分は本当に女の子になってしまうような気がして、どうしても出来なかった。
彼氏はとても優しかったから、
「まゆかが怖くなくなるまで待ってるよ」
と、付き合って1年も経つのに待ってくれていた。
でももう、怖いとか、女とか、全部がどうでよくなってしまった。
その日の帰り、私は彼の家を訪ねた。
「おっす。」
「おお、いきなりどした?」
「抱いて。」
「え?」
「ずっと怖かったけど、〇〇の事考えてたら会いたくなって、触れたくなったから来ちゃった。」
そう言うと、彼はとても嬉しそうに私を招き入れ、ベッドへ促した。
初めて見せる体、初めて聞かせる甘い声。
あぁ、きっと彼女も大好きな彼氏にこういう姿を見せたんだ。
そしてきっと、彼女のそんな女の子として見せる声や表情は、
たとえ私が彼氏と別れたとしても、
彼女が彼氏と別れたとしても、
私には絶対見せてくれないもので。
彼氏に抱かれながら、
大好きな彼女を想いながら、
私は処女を卒業した。