「俺、ドライだから干渉し合わない恋愛が理想なんだよね。会うのもたまにでいいかな。」
「俺、ドライだから干渉し合わない恋愛が理想なんだよね。会うのもたまにでいいかな。」

重めの女とドライな男。冷静に見ると、私たちは合わないはずだった。しかし、とにかく彼が好きだった私は「私も彼に合わせてドライになればいい、そしたらそのうち重い女を辞めれるのでは」と考えていた。

他の女の子と遊びに行った報告を聞いても、元好きな人に積極的にアプローチした話を聞いても、元カノからのプレゼントを大事にまだ持っていても、自分のコンプレックスについて言われても、涼しい顔で受け流し、時に可愛く嫉妬する子を演じた。そしてそのたびにドライな彼に似合う自分になれた気分でいた。

しかし3か月になって、どこかで限界に感じている自分がいた。

大雨の日。生徒に無関心な研究室の教授がわざわざ「今日から明日にかけて大雨なので不要不急の外出は控えてください」とメールしてきたくらい雨は激しかった。

コロナもあり家デートが主で、交互にお互いの家に行く形をとっており、今日は私が彼氏の家に行くことになっていた。

お酒を飲んで2人でベッドに寝転んだ。就活状況や、教授いじり、友達の話など、大学生ならよくするであろう話をしていた。

思い込みかもしれないけど、今日はいつにも増して他の女の子を可愛いって褒める。いつもよりメイク頑張った私のことは全然褒めてくれない。なんか嫌な日だ。帰りたい。

すると彼は、「AV女優のSさん可愛いな〜。俺もし来られたらやっちゃうなあ」と少しニヤついて呟いた。

その一言で私の中の無理矢理広げていた器が破れて、その穴から溜まりに溜まったフラストレーションという液体がゴボゴボ溢れているのを感じた。

気がつくと私は「それはさすがにデリカシーなくね?」と言っていた。
「冗談だって」「俺が悪かった」などとなだめる彼の言葉に、一つ一つ鋭く言葉の矢を刺して返した。いつもの皮を被った私はどこにもない。冷ややかな目で彼を睨んだ。

彼は沈黙を破るように、私からシャットアウトするかのように布団を被り、3分もしないうちに寝息を立てていた。

気持ちよさそうに寝ている彼を見ながら「なんで普段怒らない彼女が怒ってる時に寝れるの?まず話終わってないし。」「私じゃなかなかいかないのに、そのAV女優では沢山抜いてたのかな。」「他の学科の女の子も褒めてたな。何で私と付き合ってんの。妥協すんなよ。」色んな言葉が頭の中で渦を巻いていた。

私はベッドを降りて、マスクをし、リュックを持った。リュックの音で彼が起き、「ん、今何時」とこっちを見ていた。彼を尻目に私は家を出た。時計は深夜2時をさしている。

雨は来た時より酷くなっていた。傘をさしていてもすぐに肩から下がびしょ濡れになった。

ていうか絶対リュック持つとこまでちゃんと見たでしょ。
それでこの大雨で深夜なのに彼女を引き止めないとかなんなの。別に引き止めて欲しいからしたわけじゃないけど、普通は引き止めるでしょ。引き止めなくても「かえるの?」って一言言うでしょ。

寒さのあまり膝がガクガクするのを抑え、片道20分の家まで意地だけでとにかく前に行くことだけに意識を向けて歩いた。「伝わって、私の嫌さ」と言わんばかりに一歩一歩踏みしめた。

家に着くと一気に暖かい空気に包まれた。生き返った気分だ。
全身濡れていたが、風呂に入る気にもなれずそのままベッドに寝転がっている。今まさにこの状況だ。ここまで書く頃には半乾きくらいにはなった。

ちなみに今5時18分。彼からはなにも連絡は来ていない。明日、ドライな彼は面倒くさいと言って私を手放すのかな。そんときゃそんときか。生理前でイライラ倍増なんだからこのくらいの我儘許してくれる人じゃなきゃやってらんないもんな。
いくら重いと思われようと、ドライなあなたに釣り合ってなかろうと、嫌な事はやっぱり嫌なんだもん。

私に重い女卒業はまだ早かったみたいだ。
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