彼に必要とされるなら、財布付きの穴にだって、喜んでなる
⚠この純猥談は浮気表現を含みます。
部屋からいつもと違う匂いがした。
ああ、浮気だな。
今回は家に連れ込んだのかなって。
掃除しなきゃ。
それだけ。何も言わない。
シンクの食器も、洗濯物も全部そのままで、
私を見て「おかえり」とふにゃっと笑うその顔で、
全て見ないふりをする。
もう、こんな生活を続けて2年になる。
その辺に転がっている恋愛と変わらず、彼との出会いはマッチングアプリだった。
少し違うところがあるとするなら、彼は酷く浮気性で、私は彼のことがたまらなく好きだということくらい。
ああ、あと、同棲してて、家にお金を入れてくれないとか。
最初は泣いて怒った。
別れたくはなかったから、もうやめて欲しいと言った。
彼は私の頭を撫でながら、「泣かせてごめんね」と言っていた。
もうしない、とは、言ってくれなかった。
私は、彼が何をしているのか知らない。
どこで働いているかも知らない。
働いている、というのも、何となくしか知らない。
時折知らない服が洗濯カゴに入っているから、買っているんだろうなって。
家賃は私、それ以外は彼。同棲を始めた時に、そう決めたはずだった。
でも、約束が守られたのは最初の2ヶ月だけ。
下手な言い訳もしなくなって、当たり前のように私の財布を使う彼。
それでも、財布を出さなくなれば離れてしまうかもしれないと思うと、強く言えなかった。
友達にも、親にも言えない同棲生活。
話せば、そんな男別れろと言われるのが目に見えている。
そう言われても仕方ない男だともいうことも分かっている。
だけど、好きで、好きで、好きで、仕方ない。
部屋を掃除していたら、腕を取られた。
ソファに寝転がり何もしない彼が、私の腕を撫でつけて言った。
「ねえ、舐めて」
これも、2年間変わらない。
彼が私に触れるのは、ズボンを下げながら腕を掴む時だけ。
最後に抱かれたのは、キスされたのは、いつだったっけ。
咥えて、舐めて、彼が息を漏らして、
それだけが唯一、彼に触れ合える時間。
彼が頭を撫でてくれる時間。
これだけのために、色んなものを諦めた。
結婚も、
幸せな恋愛も、
お互いを思い合う日常も。
全て諦めても、彼だけは諦めきれない。
「気持ちよかった?」
勿論、と、ニコニコしながら私の頭を撫でる。
この顔が見たい。
私で満足する彼が見たい。
撫でてくれるこの手を離したくない。
彼に必要とされるなら、財布付きのオナホにだって、喜んでなる。
「好きだよ」
私がそう言っても、返ってくるのは、ありがとうという言葉だけ。
水道代払っておいたよ
欲しがってた靴買っておいたよ
その時と同じ温度の、ありがとう、だけ。
いっそ死んでくれたら
私も楽になるのだろうかと、
そんなことを思いながら、
今日も彼の足元にひざまずく。
ああ、浮気だな。
今回は家に連れ込んだのかなって。
掃除しなきゃ。
それだけ。何も言わない。
シンクの食器も、洗濯物も全部そのままで、
私を見て「おかえり」とふにゃっと笑うその顔で、
全て見ないふりをする。
もう、こんな生活を続けて2年になる。
その辺に転がっている恋愛と変わらず、彼との出会いはマッチングアプリだった。
少し違うところがあるとするなら、彼は酷く浮気性で、私は彼のことがたまらなく好きだということくらい。
ああ、あと、同棲してて、家にお金を入れてくれないとか。
最初は泣いて怒った。
別れたくはなかったから、もうやめて欲しいと言った。
彼は私の頭を撫でながら、「泣かせてごめんね」と言っていた。
もうしない、とは、言ってくれなかった。
私は、彼が何をしているのか知らない。
どこで働いているかも知らない。
働いている、というのも、何となくしか知らない。
時折知らない服が洗濯カゴに入っているから、買っているんだろうなって。
家賃は私、それ以外は彼。同棲を始めた時に、そう決めたはずだった。
でも、約束が守られたのは最初の2ヶ月だけ。
下手な言い訳もしなくなって、当たり前のように私の財布を使う彼。
それでも、財布を出さなくなれば離れてしまうかもしれないと思うと、強く言えなかった。
友達にも、親にも言えない同棲生活。
話せば、そんな男別れろと言われるのが目に見えている。
そう言われても仕方ない男だともいうことも分かっている。
だけど、好きで、好きで、好きで、仕方ない。
部屋を掃除していたら、腕を取られた。
ソファに寝転がり何もしない彼が、私の腕を撫でつけて言った。
「ねえ、舐めて」
これも、2年間変わらない。
彼が私に触れるのは、ズボンを下げながら腕を掴む時だけ。
最後に抱かれたのは、キスされたのは、いつだったっけ。
咥えて、舐めて、彼が息を漏らして、
それだけが唯一、彼に触れ合える時間。
彼が頭を撫でてくれる時間。
これだけのために、色んなものを諦めた。
結婚も、
幸せな恋愛も、
お互いを思い合う日常も。
全て諦めても、彼だけは諦めきれない。
「気持ちよかった?」
勿論、と、ニコニコしながら私の頭を撫でる。
この顔が見たい。
私で満足する彼が見たい。
撫でてくれるこの手を離したくない。
彼に必要とされるなら、財布付きのオナホにだって、喜んでなる。
「好きだよ」
私がそう言っても、返ってくるのは、ありがとうという言葉だけ。
水道代払っておいたよ
欲しがってた靴買っておいたよ
その時と同じ温度の、ありがとう、だけ。
いっそ死んでくれたら
私も楽になるのだろうかと、
そんなことを思いながら、
今日も彼の足元にひざまずく。