相手が言ってほしいことを言って転がしたいだけの嫌な女なんです
もう癖、みたいなもので。
相手の言動、行動、リアクション、その他諸々を考慮し飲み込んで、
この人だったらここでこう言えば喜んでくれる、を先回りして口から出すのが好き。
「態度に出すのが苦手だからよく勘違いされるんだよ」
「そっかー、私から見たら人が見てないところで、気遣いができてるなーすごいなーて思うけど」
「仕事で周りが年上が多くて俺ばっかり疲れるんだよ」
「大変だね、、○○君みたいな人がいてくれるから、上の人たちも仕事できてるのにね。」
どう?これじゃない?響く?
ああ、その顔、響いたんだね、合ってたよかった〜。
最高最高。今日もレモンサワーを飲み干しながら、心の中でほくそ笑む。
嫌な趣味とは分かっちゃいるけど、わたしなりの承認欲求の満たし方でもあるから仕方ない。
そして大体みんなが希望通りに返してくれるんだもの。
それが信頼だったり、欲望だったりは様々だけど。
でも、分からないひともいる。
初めて会ったときに、頭の中ですぐさま思考伝達される。
「あ、やばいこの人、はまりそう」見た目はもちろん、
しぐさ、笑顔の作り方、タイミング、声色。
全てのチェックポイントに◎を付けれるようなそんな人。
急いで頭の中の引き出しを開ける。仕掛ける。
笑ってかわされる。またそれがうまい。悔しい。
「お時間になりまーす、お会計お願いします」
店員の声。しくった〜クリアできなかった。
今日は収穫なしかな、、とお店を出た帰り際に、
「帰るの?行くとこあるでしょ」とか言われて、腰を引き寄せられる。
鼻筋が通った整った顔が近い。
うわー、なにそれずるくない?ときゅんきゅんが止まらない。
にやついた顔で見やがって。くそ、負けた。
その敗北感とは裏腹に高揚感は爆上がり。
ホテルについてセックス。またそれもいいから悔しい。
飲み屋での彼とは別人のような求められる行為。
ぶつけてひいて焦らして楽しんでるようなそれに、どうしようもなく惹かれた。
次の日、お互いに用事もあり「また飲もうね」と交わし別れた。
しかし連絡は来ない。でも自分からはしたくない。プライド的に。
でも会いたい、でもでも、の繰り返し。
「...ひまなときある?」耐えきれず送った連絡に、
5分ぐらいして「次の月曜日ならあいてるよー」
嬉しい、むかつくけど、会える、嬉しい。仕事の休憩中に1人でじたばたする。
月曜日、本当にこの人はわたしの事をよく分かってるなーて感心するぐらい、
いちいちわたしのツボに入ってくる。
欲しい言葉も行為も全部くれる。最高なひと。
「ねえ、好きなタイプってどんな子?」
ふと、聞いてみた。
「んー、俺みたいに相手の顔色ばっかり
伺って物事を言わないとか、自分を持ってる子かな。
俺、相手が言って欲しい事とかやって欲しい事
大概分かっちゃうから、真逆の子を好きになる」
ガツン、と殴られたような、
でも頭はクリアな。
なんだよ、この人わたしじゃん。
鏡と一緒で丸ごと自分で、それが良かっただけか。
なぜ日頃している事を自分に置き換える事が出来なかったんだろうか。
自分だけが出来る事だとなぜ驕ってしまっていたのか。
結局、わたしはわたしを好きなだけだった。
あー嫌だ。がっかりと変な安堵感を手に入れてしまった。
笑える。ふふっと声に漏れる。
彼は何も言わない。分かっているかのように。
これはある意味、彼なりの牽制だったのたろう。
大丈夫大丈夫、わかったよ。
抱きしめられている肩を振りほどくことなく、
シーツの中の足を絡め身を擦り寄せ彼に言う。
「うん、わたしもそうだな〜」
これが今、求められるわたし。
相手の言動、行動、リアクション、その他諸々を考慮し飲み込んで、
この人だったらここでこう言えば喜んでくれる、を先回りして口から出すのが好き。
「態度に出すのが苦手だからよく勘違いされるんだよ」
「そっかー、私から見たら人が見てないところで、気遣いができてるなーすごいなーて思うけど」
「仕事で周りが年上が多くて俺ばっかり疲れるんだよ」
「大変だね、、○○君みたいな人がいてくれるから、上の人たちも仕事できてるのにね。」
どう?これじゃない?響く?
ああ、その顔、響いたんだね、合ってたよかった〜。
最高最高。今日もレモンサワーを飲み干しながら、心の中でほくそ笑む。
嫌な趣味とは分かっちゃいるけど、わたしなりの承認欲求の満たし方でもあるから仕方ない。
そして大体みんなが希望通りに返してくれるんだもの。
それが信頼だったり、欲望だったりは様々だけど。
でも、分からないひともいる。
初めて会ったときに、頭の中ですぐさま思考伝達される。
「あ、やばいこの人、はまりそう」見た目はもちろん、
しぐさ、笑顔の作り方、タイミング、声色。
全てのチェックポイントに◎を付けれるようなそんな人。
急いで頭の中の引き出しを開ける。仕掛ける。
笑ってかわされる。またそれがうまい。悔しい。
「お時間になりまーす、お会計お願いします」
店員の声。しくった〜クリアできなかった。
今日は収穫なしかな、、とお店を出た帰り際に、
「帰るの?行くとこあるでしょ」とか言われて、腰を引き寄せられる。
鼻筋が通った整った顔が近い。
うわー、なにそれずるくない?ときゅんきゅんが止まらない。
にやついた顔で見やがって。くそ、負けた。
その敗北感とは裏腹に高揚感は爆上がり。
ホテルについてセックス。またそれもいいから悔しい。
飲み屋での彼とは別人のような求められる行為。
ぶつけてひいて焦らして楽しんでるようなそれに、どうしようもなく惹かれた。
次の日、お互いに用事もあり「また飲もうね」と交わし別れた。
しかし連絡は来ない。でも自分からはしたくない。プライド的に。
でも会いたい、でもでも、の繰り返し。
「...ひまなときある?」耐えきれず送った連絡に、
5分ぐらいして「次の月曜日ならあいてるよー」
嬉しい、むかつくけど、会える、嬉しい。仕事の休憩中に1人でじたばたする。
月曜日、本当にこの人はわたしの事をよく分かってるなーて感心するぐらい、
いちいちわたしのツボに入ってくる。
欲しい言葉も行為も全部くれる。最高なひと。
「ねえ、好きなタイプってどんな子?」
ふと、聞いてみた。
「んー、俺みたいに相手の顔色ばっかり
伺って物事を言わないとか、自分を持ってる子かな。
俺、相手が言って欲しい事とかやって欲しい事
大概分かっちゃうから、真逆の子を好きになる」
ガツン、と殴られたような、
でも頭はクリアな。
なんだよ、この人わたしじゃん。
鏡と一緒で丸ごと自分で、それが良かっただけか。
なぜ日頃している事を自分に置き換える事が出来なかったんだろうか。
自分だけが出来る事だとなぜ驕ってしまっていたのか。
結局、わたしはわたしを好きなだけだった。
あー嫌だ。がっかりと変な安堵感を手に入れてしまった。
笑える。ふふっと声に漏れる。
彼は何も言わない。分かっているかのように。
これはある意味、彼なりの牽制だったのたろう。
大丈夫大丈夫、わかったよ。
抱きしめられている肩を振りほどくことなく、
シーツの中の足を絡め身を擦り寄せ彼に言う。
「うん、わたしもそうだな〜」
これが今、求められるわたし。