先輩は妹扱いしていた私を抱いた。俺に感謝しろよと言わんばかりに
ずっと男の子みたいな女の子だった。

ちやほやされるのは好きだったけど、女の子として好きに、恋愛対象に見られるのは嫌だった。
恋愛なんてめんどくさいと思っていた。
だから、髪の毛は短くしたし、振る舞いも言葉遣いも男の子っぽくした。
自他ともに認めるイケメンで、そういう自分が好きだった。


大学に入って出会った、同じ部活の先輩。
私のことは妹として扱うように、親密だけど性的ではない距離感を取る人だった。
恋愛なんて知らなかったわたしは、なんとなくあなたと仲良くなっていった。
自分では懐いているだけだと思っていた。

ただ、いつからか、あなたの彼女になりたいと思った。
いつからか、LINEの速度が遅いとなにもやる気にならなくなったのは。

私のもこういう気持ちがあるんだ、と思った。
むずがゆいような、居所が悪いようなそんな気持ちだった。


成人式を言い訳にして髪を伸ばしだした。
髪が伸びて、スカートを履くと途端に美人ともてはやされた。
男の子じゃなくて、女の子として見られなきゃという気持ちが先走っていた。

色んな飲み会に呼ばれるようになって、たまたま飲み会であなたの家に行った。
ジャン負けで行ったコンビニへの買い出し中に、ファーストキスを奪われた。
ムードも何もなかったし、きっとあなたは酔い潰れて覚えてもいない。
朝になると気づいたら2人きりになっていた。
いや、みんなが帰るのを寝たふりをして待っていた。

髪型も服装も大人っぽく変わったわたしをみて、打って変わって妹扱いをやめて求めてきた。
はじめてのわたしに何度も「痛くない?」と聞いてくれたし、怖がるわたしをみて途中でやめてくれた。
聞いたことのない甘い声で可愛いと抱きしめて何度も言ってくれた。
恋愛初心者のわたしは両思いだと思い込んだ。

その後、少しして告白をするとあっさり振られた。
あの時の態度は幻だったのかもしれない。

「でも、可愛くないと手は出してないよ。」

まるで感謝しろよと言わんばかりに、言われた。
手を出したのに振ったことに対する罪滅ぼしのように、言われた。

恋愛経験がない私でも、その言葉は酷く最低なものだということは分かった。

一連の出来事を友達に話して、あなたが悪く言われると「わたしを突き放すためだよ。」と何故かあなたを庇ってしまう自分がいた。あんなにも最低な言葉を言い放ったあなたを。


しばらくしてそれでもまだ嫌いになれない自分に、
都合の良い時だけ電話がきて喜ぶ自分に、嫌気がさした。
全然興味のない男の人に気のある素振りをして、告白されそうになると遠ざけて、を繰り返した。
恋愛の自信の無さと、寂しさを紛らわすためだけに利用した。
私も人から求められる感覚が欲しかった。
だけど、やっぱりわたしの心には大きな穴があるみたいで、あなた以外から性的対象に見られると気持ち悪い。


風の便りで4年付き合った彼女と別れたと聞いた。
もう一回頑張ろうかとも考えたが、あの時の熱意はないし、正常な判断ができるようになっていた。

一生懸命伸ばした髪の毛を切った私は、また男の子に戻ろうとしている。
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