私は別れてからも好きだったよ、ずっと。
「今日、会いに行ってもいい?」
別れた2週間後。始まった関係。
私はあなたの彼女だったのに、あなたのセフレになった。

決して浮気したわけでも、喧嘩したわけでも、お互いが嫌いになったわけでもないカップルだった。
別れても好きだった。
私は、あなたの1番長い彼女であり、1番長いセフレになった


月に1回か、2回。
「今日暇?」と突然連絡が来る。
私は、その連絡が来ようものなら、他のデートの約束をキャンセルして、彼と会う。

セフレになったからと言っても、過ごし方は付き合っている時と変わらなかった。
一緒にテレビを見て、ハグをして、キスをして、セックスしないで寝ることもあった。
セックスした後にはハグしてくれた。

絶対私のことまだ好きだと思った。
でも私は彼に好きだとは言えなかった。

彼の前では、私は経験人数が彼含め2人の奥ゆかしい元カノだったし、気心の知れた都合の良い女でもあっただろう。

「最近、良い人いないの。」と聞かれても、
「あなた以上に素敵な人に出会えない」と答える元カノとしての私。

困りながら、「俺以上に素敵な人はたくさんいるよ。元彼女をセフレにするような俺なんかより。」と言っていた。
私も、合わせて困った顔して笑った。


ある大雨の日、私は彼にまた呼ばれて、彼の家にいた。
彼は飲み会だからと言って、出かけて行った。彼女だった時みたいに好きに過ごしていいよ、と言われていたから、テレビを見てお風呂に入った。

夜10時、迎えにきて欲しい、と連絡が来た。
外は土砂降りだった。冠水しそうだった。

私は初心者マークの貼ってある軽自動車で彼を迎えに行った。

でもなかなか出て来ない。心配になって飲みの場まで迎えに行くと彼が出てきた。
「ありがとうございましたー。」
と、同じ場にいた人に笑顔で答えていた彼は車の中で豹変した。


「ありえない。呼ぶんじゃなかった。普通は出て来ない。彼女面しないでくれよ。」

私はそれに対して、「ごめん。」と表情を変えずにいうことしかできなかった。
車の外は相変わらず、土砂降りだった。

何故か、その日も何事もなかったかのように、優しく抱かれた。


でもそれから私は彼より自分を優先し始めた。セックスすることはあったけど、先約を優先した。
いつしか付き合った期間よりもセフレの期間のほうが長くなっていた。


私が24歳の誕生日を迎える頃、私は運命だと思う人に出会ってしまった。
これからはその運命の人には誠実にありたいと思った。

その日、彼から連絡が来た。
「今日行っていい?」

これが、最後。会ってちゃんと関係を切ろう。

「私、好きな人ができたんよ。その人に誠実になりたいんよ。だから、もう会えん。」
「良かったやん。頑張れよ、可愛いんだから。」
「うん。駐車場まで歩かん?」
「歩くか。」

そんな会話をして私たちは手を繋いで歩いた。
桜が咲いていた。眺めていたら涙が出てきた。

「私は、好きだったよ、ずっと。」
「俺は、何とも思ってなかったよ。別れたんだから。」
「俺と同じ気持ちだと思ってた。」

私たちの間には、もう愛なんてなかった。ただの他人。

気づいていた。
私もあなたへの「好き」が変わっていること。

セフレと彼女の扱いの違いを感じたあの大雨の日から、
あなたへの好きには、常に「恐れ」が付き纏っていた。


いつか付けられた、紫色のキスマーク。
それはきっと、私たちがお互い執着した証。
でも執着は愛ではないでしょう。

もう一度、最初からあなたと出会い直せるなら、私はあなたと他人でいたい。
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