「バイバイ、もう、大好きなんかじゃないよ。」
いつから打算なしに好きだと言えなくなったのか、もう忘れてしまった。

私たちは決定的に価値観が反対を向いていた。
付き合い始めた頃はそれも面白いねって2人で笑っていたのに、いつからか頑固な私はあなたに価値観を押し付けるようなことをしていた。

不満を言うのはいつも私だった。
その度にあなたは少し悲しい顔をして、きっと言いたいことがあっただろうに全部を押し殺して、

「嫌な思いをさせてごめんね、わかった、頑張って直すね」
と言った。

何かあったらなんでも言い合おうねって約束した3年半前から、たった1度もあなたからは何もなかった。
怒ったところだって見たことがなかった。

いつも、あなたに大好きだよと先に言わせ続けてしまっていた。


新年を迎えてすぐに私はまたあなたに不満をぶちまけた。
今思っても、私が間違ってたとは思えないけど。
でもこの時たしかに、彼との決定的な違いを突きつけられた気がした。

いつもなら、翌朝には忘れて何もなかったように昨日の続きを笑って話せるのに。
いつまで経っても何を話しても、埋まらない距離を感じた。


別れる前日に、将来の話をした。

4年間の遠距離が終わったらどうする?
いつ結婚しようか?
子どもは何人欲しい?
指輪は2人で選びたいな。

別にそんな話を押し付けたかったんじゃない。
安心したかった。
あなたと私が向いている方向は本当は同じなんだと、これから歩いていく道はあなたと2人なのだと。


でもやっぱり違ったね、私たち。

いつも通り、やっぱり全然合わないんだねーって笑う彼に、返す言葉がもうなかった。


翌日別れを切り出した時、案の定嫌だと言われた。
上手くいかなくなるかもしれない未来に振り回されて、別れるなんて無理だと、きっと画面の向こうで泣いていた。

私たちはまだ学生で、そんな先の未来の話なんかしたって仕方ない。そんなのわかってる。

でももう、大好きなんかじゃなかったから。
あなたを、本気で愛しかけていたから。

そういう私はこれから先、確実にあなたを私の価値観で抑圧して変えてしまう。
あなたが今大切にしているものや自分の好きなところさえ、潰してしまうかもしれない。

本当に大切なあなたを、私が壊してしまうことに耐えきれなかった。


ありがとう。

幸せだった。

あなたの彼女で良かった。

別れたくないって言ってくれて、本当は嬉しかった。


最後の最後に送られてきた「大好き」に既読をつけるのは、多分ずっと先になるだろう。
写真も動画も、本当はまだ消せないでいる。

でも私ももうすぐ前を向いて歩き出すから。
あなたも歩いていってね。


いつかあなたがあなたらしくいれる距離を取れるようになった時に、今日のことを笑って話したい。

バイバイ、もう、大好きなんかじゃないよ。
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