悪いけど、私のこと好きにさせるから。
これは、宣戦布告だ。

私の好きを独り占めした酷くて酷い甘ったるい
貴方への宣戦布告。

10歳年上の彼は年下の私には酷く魅力的に見えて、憧れで尊敬で、好きになるのにそんなに時間はかからなかった。

ただ、順番を間違えてしまった。

体から始まる恋にろくな結果は待っていない、そんなの何度も何度も言い聞かせてきた。
バッドエンドが目に見えているのに自ら進むなんて、そんなストーリーは望んでない。

それに彼自身も、恋愛に縛られるような人ではない。
残りの人生を余生、なんて言いながら喜怒哀楽を諦めているような人だもの、私の告白はあの人の人生の枷になる。そう思い込んで、触れる肩の熱には無視をした。

どれだけ体を重ねても、休日に二人で過ごしても、お互いの秘密を伝えあっても、友人からは脱することは出来ない。分かってた、分かってたけど。

それでも、この気持ちを手放したくなかった。
この気持ちを無視することだけは出来なかった。

「好きです」

震える体で消え入りそうな声で伝える。
こんなのかっこ悪い、当初のシナリオと違う。

「知ってた」

そう言って申し訳なさそうに笑う彼。
あぁ、私あなたのその笑顔にめっぽう弱いの。

「どうしたい?」
「答えが聞きたい」
「付き合えない、けど、今の関係は手離したくない」
「どうして?」
「俺はお前を幸せに出来ない、傷付けて泣かせる」

力なく答えて、困った顔で私を諭してくれる。
きっと今までの私なら、泣いて「そっか」って言ってたと思う。
だって枷になりたくないもの。

でも、だから、なんだって言うんだ。

思わせぶりな態度をずっと取っておいて、「これはお前のな」って私専用のクッションを買ってくれたり、帰るって言えば「もう?」って腕を掴んで引き止めたくせに、「お前のせいで好みが変わった」ってチョコレートを食べていたくせに。

「お前といると、ダメになる」
「でも、今のままでいたいんだ」

だ、なんて。

いいでしょう、いいでしょう。
そんなに欲張りなら、その願いを叶えてあげる。
私はずっとずっと好きなまま貴方の隣に今まで通り過ごすよ。
一緒にご飯食べて、夜中にドライブしたり、古い映画を同じ部屋でケラケラ笑いながら見たり、あの狭いシングルベッドで過ごした夜も、今まで通り過ごしてあげる。

「じゃあ、好きなまま隣に居るね」
「難儀な奴だな、ダメになる前に離れてくれよ」

難儀なのはお互い様。
これは、私からあなたへの宣戦布告。


悪いけど、私諦めてないから。
悪いけど、私のこと好きにさせるから。
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