私のことを好きでもない男がくれる快感に酔ってしまった
初体験をした2つ上の彼と4月に別れた。

自分勝手なのは承知だが、私はやっと受験を終えてこれから彼ともっともっと濃い日々を過ごしていくつもりだった。
コロナのせいにしたい気持ちは山々だったが、日頃から話し合いをしてきた私達はいつもどおり二人で納得いく結論を出した。
明確にこれ以上は付き合っていても意味がない、という理由で別れた。


5ヶ月ぶりに新居に住むことになった。
4月に一週間だけ住んでコロナで実家に戻った以来で、もう9月になってしまった。

この一人で住むにしては広い部屋には、彼と行った映画の半券やバンドをしていた彼のライブのチケット、まだいくつか入ってるゴムの箱などがまだ残っていた。
早く彼を忘れたいと思うほどに彼を思い出す。とても悔しい気持ちになった。

ああ、この部屋にいた頃の私はまだ彼のことが好きだったんだな。
こんなことをワンルームでつぶやく日が来るなんて思ってなかった。

この部屋を離れていた5ヶ月の間で彼のことを考えたくもないくらいに嫌いになったり、はたまた頭の中いっぱいになって苦しいくらい考えたり、時間を無駄にしたなんてもんじゃない。

性欲が強いらしい私は、自慰行為をするたびに彼からもらった快感を思い出しては恋しくなって枕を濡らした。
ふざけるな、なんて思いながら、広すぎるこの部屋で虚無になっていた。


私は虚無のまま、ある連絡先に『お引越しをしたから暇です〜』と何も考えずに送った。
高校時代好きだったけど、今は驚くほどなんとも思ってない男。引っ越した先が近かった。

彼は『なるほど』、とアパート名を簡潔に返信してきた。
追って来た『いつでも来ていいよ』という連絡に甘えて引っ越してきて二日目、早速行ってみることにした。

男の家に5ヶ月ぶりの人肌を求めに行った。
なんとも思ってない男に、なんとも思われずに腕枕されて、私はそれに抱きついて妙に落ち着いてしまった。

結論から言えば最後まではしていない。
それでもキスはしたし人肌に触れた。
どうしても彼を思い出してしまう自分が嫌になりながらも、久しぶりの快感に酔ってしまった。

引っ越して二日目だ。
母から『今日何してた』と連絡が来た。
別に不思議じゃない。
自由に時間も体も使えたから、使った。
でも親に嘘の返信をしなければならない自分が情けなくなった。

これが自由か、これが責任か。
こうして大人になった気分に浸る大学生の一部になり下がってしまった気がして、吐き気がした。


家に帰ると、テレビではラブソング特集の音楽特番がやっている。
寂しさを満たすなら誰でもいい。
いつでも君の面影を探している。
彼のことが好きだったときは後者の歌詞が刺さっていたのに、なんでもない男の人肌を感じたあとの私には前者の歌詞の方に初めて実感を持って共感してしまった。

自分が信じられない。

そんなことも回数を重ねたら麻痺して感じなくなるんだと信じて、今日男から借りてきた本を開く。
次、男の家に行くまでに読んでまた家に上がる口実にしなくてはならないから。

好きでもない男とするキスは全然気持ちよくないけど身体に触れられると自分が女だとわかるように反応してしまうことなんて知りたくなかった。
知ってしまった。
彼が初めて教えてくれた快感が汚れたものになっていく感覚にまた酔いにいかせてもらいたい。

男とキスしたよって彼に連絡しちゃおうかな、なんてね。
自分勝手にも程があると誰か叱って。
 ツイートする
おすすめの純猥談
助演のわたし
⚠この純猥談は浮気表現を含みます。
つづ さんからの純猥談
つづきをよむ >
「今日で最後だから、もう一回だけしよう?」
⚠この純猥談は不倫表現を含みます。
スライム さんからの純猥談
つづきをよむ >
風俗嬢まりんの性愛テクニック講座
平凡妻 さんからの純猥談
つづきをよむ >