先輩の部屋から元カノへの未練が垣間見えて、それ以上は進みたくなかった
出会いは私が大学一年生の5月。バイト先の5つ年上の先輩に一目惚れした。

話す前から仕草とか立ち居振る舞いが周りの人と違く見えて、不思議な感覚がした。
出会ったその日、初めて入ったバイトにまだ緊張気味だった私に、優しく話しかけてくれた。
年上の男の人と中高ほとんど関わることなかったような私だが、その先輩とは1日目でもう素が出せていることに驚いた。

その人の趣味が自分と似ていること、帰り道同じ路線を使うこと、実家の県が同じこと、大学の系統が近いことですらも喜んでいる自分がいた。
先輩からおすすめしてもらった曲は、次のシフトが被る時までに何回も聴いた。


でも、先輩には付き合って4年目の彼女がいた。
彼女がいる相手を好きになっても報われないことは過去の恋愛で散々感じていた。
けど、もう遅かった。
あの日、出会って数分で恋愛の話になって、「彼女がさ〜」と聞いた瞬間、なぜか胸がチクッとした。
好きになってはいけない人なんだ。そう自分に言い聞かせれば聞かせるほど、意識してしまった。
月日が流れていくうちに、相手に迷惑をかけなければ、勝手に自分で好きでいる分にはいいか、という考え方に変わっていた。


そのまま特に何も行動することなく、12月になった。
初日からの好きと言う気持ちは日が経つごとに増していくばかりだった。
私の使う電車は、私と先輩の2人しか使う人がいないため、タイミングが合えば2人で帰ることになる。

「クリスマス、彼女さんとどこか出かけるんですか?」

クリスマス直前の日、2人で帰るタイミングで、私は何気なく聞いた。

「どこも行かないかな〜」

4年付き合った彼女さんとは夏、円満に別れたというのだ。


年が明け、私は勇気を出してご飯に誘った。
すぐに予定が決まり当日、ご飯を食べ終わってお店を出たら、家に誘われた。
私は流れでついて行ってしまった。狭いワンルームはガラクタでいっぱいだった。
冷蔵庫には元カノとのチェキが貼ってあった。
あまり自分の気持ちを表に出さない先輩の心が表されている感じがして複雑な気持ちになった。

私たちはその日、流れでキスをした。
私は初めての経験と部屋から垣間見える元カノへの未練に心がいっぱいで、それ以上の行為も誘われたけど断った。本当は普通のデートがしたかった。


帰り道、いつもみたいに平然としている先輩はこう言った。

「あいつとかいいじゃん」

先輩とは正反対な性格の、同い年の男子を勧めてきた。
きっと私の気持ちに気づいてるのに。

「こんなことされちゃって、当分同い年は好きになれないです」

そんな簡単に他の人なんて好きになれない、そのくらい好きだったんだよ。
自分が傷つくのが怖くて、こんな想いは必死に包み隠した。

大好きだったのに何も伝えられず、私の8ヶ月の片想いはあっという間に崩れていった。
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