「今から友達来て遊ぶことになったから、早く帰って」
私には、定期的に会っているセフレがいる。

2週間に1度、終電ギリギリの時間に「今何してる?」と連絡が来る。

「お家だよ」と返すと「会いたい」と返ってくる。
「会えるよ」と返して、私は急いで準備をして、彼の家に行く。

サッパリしたこの関係が、私は気に入っていた。
人として彼のことが好きだったけど、恋愛感情は全く無かった。
それは相手も同じだったと思う。

でも、それ以上に、彼との行為に溺れていた。
しっかりしなくちゃ、ちゃんとしなくちゃ、と普段自分を強く偽っている私が、唯一人の目なんて気にせず素でいられる時間だった。


「ねえ、お前は誰の?」
「愛してる?」
「ずっと会ってくれる?」

首をしめられながら、奥を突かれながら放たれる言葉たち。
自己肯定感は皆無なくせに承認欲求は人一倍高い私にとって、中毒性のある麻薬のようだった。
他の人とセックスしても、満足できない。
呼吸ができなくなるくらい犯されて、ぐちゃぐちゃにされる彼との行為が忘れられなくて、私はその快楽の虜になっていた。

身体を重ねる回数が増えると、彼も私と同じ様に自己肯定感が低く、愛に飢えていることに気付く。
容姿や才能に恵まれてて、お金もあるのに、愛には貪欲なのね。
私と君って、似てたんだね。
愛情がなくても、私達は心のどこかで通じ合っていた、気がしていた。


でも、それは結局勘違いだった。

ある日のこと。いつも通りセックスをして、眠りにつく。
朝の5時になって、先に起きていた彼が私の耳を噛んできた。

「ねえ、起きれる?」
「うん、起きれるよ」

優しいキスで起こされたその直後。

「今から友達来て遊ぶことになったから、帰って」

は?
寝起きの頭で精一杯考える。
その日はその冬1番の寒気で、外にいるだけで凍えるほどだ。
なのに今から帰れってこと?この極寒の中、太陽も昇ってないのに?
一瞬で怒りが湧いてきた。

「彼の考えていることがわからない」という怒りと同時に、1つだけ明確になったことがある。

ああ、私達セフレだった。分からなくて当然なんだ。
君が何を楽しいって思うか、何にイライラするのか、何をされたら悲しくなるのか。
私、一個も知らないや。
どこが気持ちいいとか、何をされたら興奮するのか、そんなことは知ってるのに。
それが妙に腑に落ちて、帰る準備をし、無言で彼の家を出た。


帰りの電車で、君が初めて会った時に言っていたことを思い出す。

「セフレって、身体のことしか知らなくない?」

私達が共有してるのは、気持ちじゃなくて快楽だった。
本当にそうだ。君の言った通りだったよ。
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