男の人に好かれるために、女の子になってる時の自分が大好きだ
男の人に好かれるために、女の子になってる時の自分が大好きだ。
相槌は可愛く、「うんうん」って。驚いたり笑ったり、表情をクルクル変えて。
ほっぺたと下瞼がくっつくくらいの満面の笑顔。
日常生活では決して女の子を出せないから、ここぞとばかりに非日常を楽しむのだ。


私は中学時代にいじめられていたし友達も少なかった。
「男たらし」「ぶりっこ」そんな言葉を浴び続けて、女の人の前で自分が女の子になると嫌われるんだ、と知った。

だけど、マッチングアプリで出会った人の前では素直に女の子になれた。
男たらしとかぶりっことか、そう咎める人がいない空間だから。


君とマッチして会ったのは本当に偶然。
その日の夜の暇を埋めるためにマッチングアプリを入れて、たまたま近くに住んでて、たまたま1番最初に会う予定が決まった。ただそれだけ。

6時半に2人の中間地点の駅前で待ち合わせて、居酒屋に行く。
最初はぎこちなかった会話も、時間が経って、お酒も入って、すごく盛り上がった。
昔の恋人に少し似てる君は、顔も声も背丈も全部私のタイプそのものだった。
だから君の前で女の子になってる時間がすごく、すごく楽しかった。

閉店時刻の11時に居酒屋を出る。
このまま解散か、寂しいな。そう思ってたら手を繋がれた。
「手繋いでも良い?」って君の言葉で、私の中の女の子が報われた気がした。
私、今、君に女の子扱いされてるんだ。
そのまま手を引かれて、君の家に向かった。
もう充分すぎるほどお酒は飲んだけど、お互いに1本ずつお酒を買って。


典型的な男の子の部屋である君の部屋に入った瞬間、私の中の女の子はまた満たされた。
座椅子に座って、テレビを見て、雑談しながら、お酒を飲む。
会った時は敬語だったのに、もうタメ口で。
マッチングアプリには載せてなかった本名を教え合って、下の名前で呼び合う。下の名前をちゃん付けで呼ばれることが大好きな私は、最高に自分の中の女の子を感じていた。

時々、テレビから視線を外して、君の顔を見る。
話していても、いつキスされるのか、それをずっと頭の中で考えてた。

家についてから1時間くらい経ったころ。
「ぎゅーして良い?」と聞かれた。
良いよ、と言って抱きしめられて、私の中の女の子がどんどん満たされてく。
「可愛すぎる」そう言いながら包み込むように抱きしめてくれた時、その言葉が本当に嬉しくて、本当に気持ちよかった。
そのままキスをして、君は何度も私のことを「可愛い」と言ってくれた。
何もかもがタイプの男の子に女の子扱いされて、可愛いって言われる。気持ち良過ぎてどうにかなりそうだった。

そのまま2人で気持ち良くなって、その後もたくさんキスをして、たくさんハグをした。
「癒し系の顔めっちゃタイプやねん」慣れてきて方言混じりに君にそう言われた時、たまらなく嬉しかった。

「また会ってくれる?」
「彼氏とかは要らないの?」
「こういう中途半端な関係で本当にいいの?」
君にそう聞かれた時、心のどこかで、君との関係性の発展を期待した自分がいた。


でも、ふと我に帰る。
君と付き合ったとして、ずっと今みたいに女の子扱いしてくれるのか。
女の子になれる場が無いと、苦しくなってしまう私に、無責任にも君との関係性の発展に期待する資格なんてあるのか。

質問の答えをはぐらかしてたら君に言われた。
「好きにさせないでね」


私の腕の中で気持ちよさそうに寝てる君。
このままだと私は絶対君を好きになっちゃうし、たぶん君のことを好きにさせてしまう。

だから傷つけないうちに離れないと。
見つめたくなっちゃう綺麗な目、
私を包み込んでくれる大きな胸と腕、
ちょっとお茶目な話し方、
何をするにも「良い?」ってちゃんと聞いてくれるところ、
「こっちとこっち、どっちが気持ち良い?」って私の事を喜ばせようとしてるところ。

全部大好きだから、1番嫌なのは君のことを傷つけること。


深夜3時半に、寝息を立ててる君の腕をするりと抜ける。
迂闊にも君のことを起こしてしまい、「トイレ行ってくるね」と伝えて怪しまれないようにする。
「戻ってくる?」寝ぼけてる君にそう聞かれて、うんって答えるの、辛かった。

トイレから戻ってきたら君は元通り、寝息を立てている。
起こさないように慎重に、静かに、服を着る。
決して忘れ物をしないように暗がりの中入念にチェックして、もう二度と会うことの無い君の背中にバイバイする。
もう二度と訪れることのない君の部屋のドアを静かに開けて、静かに外に出た。

好きにさせなかったよ、これでいいんだよね。
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