男に可愛いって言われてる今の自分、私は好きじゃない
高校は女子校だった。
父親からの虐待が原因で男の子が怖かった。
中学生になると大人になっていく。低い声も自分よりも伸びた身長も全部怖かった。
だから女子校に行こうと思った。

3年間、男を避けて生きた。
電車で隣に座られるのも耐えられなかった。
目を合わせて会話をするなんてありえなかった。

高校を卒業して、世の中に1人解き放たれたときは孤独だった。
もう避けては通れない道なんだと思った。

自分は自分で生きていたけどそれもここで終わりにしよう。


大学に入り、彼氏や男の話題になる。
下ネタは好きだった。AVも見ていた。
ただ男性不信は消えなかった。心から好きで一緒にいて幸せを感じるなんて怖かった。
男の人と深い関係になるなんて想像するだけで気持ち悪かった。

直さなきゃ。生きていかなきゃ。
この世界で生きなきゃいけないんだ。逃げてはダメだ。

そう決意してモテるために服装まで変えた。
メイクも勉強した。話し方や振る舞い方も学んだ。
出会い系アプリを入れた。合コンにも行った。

全ては経験だ。色んな男の人に会った。

でもやっぱりそこでも感じるのは、好きとか真実の愛とかそんなもんじゃない。
やれるかやれないか。それだけだった。

「可愛いね」の言葉の裏には「やろうよ」って意味がある。
何も信じられなくなった。別に元々信じてないけど。
どうでもいい。身体だけでも求められるならそれでいい。

怖いけど、やってみたら怖くなくなるかもしれない。
とりあえずやってみよう。


「今日、家来れる?」
「いいよ」

なんでも良かった。初めては好きな人とか。どうでもいい。知らないよそんなこと。

「久しぶりだから痛いかも。血出たらごめんね。」

初めてだなんて言わなかった。
だって処女って知ったら俺じゃない方がいいよって言うに決まってるから。そう言われてきたから。
好きでもないし、もうなにもかもどうでもいいから早くやろうよ。

初めては呆気なかった。
まあこんなもんでしょって感じだった。
痛いも、怖いも、何も感じなかった。涙すら出なかった。
感情ってなんだろう。


帰りの電車で自分が写ってる窓を見る。
これで可愛いって言われるんだ。
私は今の自分、好きじゃない。可愛くない、上手く笑えない、こんな自分が大嫌いだ。

そう思いつつもアプリで次の人と連絡をとる。
身体だけでも求められるならそれでいい。
どんどん落ちていく。暗くて長くて陽の光が見えない洞窟を歩いているみたいだ。
ただの依存から抜け出せない。

やりたいなら、やりたいって言えよ。
どうせ私の身体が好きなんでしょ。いいよそれで。

今日も別の男と身体を重ねる。
もう私に怖いなんて気持ちも、「好きな人以外感じない」なんて純粋な気持ちも、残ってない。
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