「友達」の拡大解釈にも程がある
⚠この純猥談は浮気表現を含みます。
マッチングアプリで知り合った彼とは、好きなアーティストが同じだった。
音楽以外にもお笑いが好きなところとか、好きなYouTuberとか、それ以外にも会話のテンポがすごく似ていて。

初めましては夜ご飯。2度目は散歩。3度目はみなとみらい。月に1~2回のペースで遊んだ。

知り合ったきっかけはアプリだったけど、就活を控える私は恋人を作ることに少しナーバスだった。
彼も踏み込んでくることはなかった。かといってセックスすることもなかった。
アプリでも意気投合できる異性の友達が出来るんだって、すごく嬉しかったし、楽しかった。

ドライブもしたし遊園地にもプールにも行った。
友達には、「いつ付き合うの?」「それはもうカップルじゃん」なんて言われて、
「全然そういう感じじゃないよ、ほんとにただの友達」って笑いながら返してた。


知り合って半年経つ頃、話の流れで彼と2人で2泊3日の旅行に行くことになった。
コロナもあって旅行自体が久々で嬉しかった。
ただ、今まで一切体の関係はなかったけど、泊まりだとどうなんだろう、って1人でモヤモヤしてた。
念の為、予備の下着とコンドームをひとつ、荷物に入れた。

旅行は本当に楽しかった。
夜はホテルから何故か花火が見えて2人ではしゃいだし、昼は景色が綺麗な海沿いを散歩して、お互いの写真を撮った。

「画質落ちちゃうから、その動画、エアドロで送ってくれない?」
帰る直前にLINEで旅行のアルバムを一緒に作ってた時にそう頼んだ。
エアドロのやり方がよく分からないという彼に、机を挟んで逆から私がここだよ、と教える。
共有してもらって彼がLINEを再び開いた時、見るつもりはなかったけれどトークルーム一覧のトップに、
ひとつだけピン留めされているルームがあることに気づいた。

名前までは見れなかったけど、それは私じゃなかった。

何も言わなかったけれど、私はとても動揺した。
1人だけピン留めしてるって、もしかして彼女?

私は今までの事を必死に振り返った。
彼女がいるって話は一切聞いてないけど、今まで感じてきた些細な引っかかりが彼女がいるからだとすれば全て解決することに気がついた。

帰り道に電話してたら突然電話が切れて、1時間後に「エレベーター乗ったら切れちゃった」と連絡が来たのが違和感の最初。
深夜に女の子の写真が2枚送られてきて、翌日「ごめん潰れた同期、忘れて」と言われたこと。
LINEだと名前を時々呼んでくれるけど、口頭では1度も呼んでくれていないこと。
参加が被ったライブでは必ず彼が私の方に挨拶に来ること。
向こうの指定日程で土曜日にご飯食べる約束をしたら、午前中仕事だからって夕方からになったこと。他の日でも良かったのに。

そして、旅行に行くことを友達にほとんど言っていないということ。


そっか、彼女がいたんだなって、結構冷静に納得出来た。
でも、彼女がいるのに他の女の子と遊ぶのってどうなの?
恋人が居ても異性の友達とご飯やライブに行くのはまだわかる。だけど、宿泊ありの旅行に行くのはおかしい気がする。
彼女に言えない旅行なんて、許されるわけが無い。友達の拡大解釈にも程がある。

セックスしなければ浮気にならないって思ってたんだろうな、そういう考えもあるよな、でもそれは私の価値観とは違うから。

結局その日は聞けなくて、次の日、彼女いるよね?とLINEした。
「うん、いるよー」
聞いてねぇよ。聞いてたら旅行は絶対に行かなかった。
恋人を大事に出来ない人を私は理解できない。
不倫や浮気なんて、大事な人を大事にできてない行為じゃん。
彼の中で浮気じゃなくても、私の中で私は彼の浮気相手になってしまうと思った。
彼女がいるなら彼女をちゃんと大事にして欲しいと思った。

「彼女公認の友達になれない限りは今後2人で会うのは控えたい」
なれる訳ないと分かりながら送信ボタンをそっと押した。
翌朝、「うん、わかった。今までありがとう!」と返信が来てて、あぁもう会うことはないんだなと寂しくなった。

深呼吸してから彼の連絡先を消した。消せなかった。
楽しかった今までの思い出とか写真とか、無かったことにしたくない自分がいることに気づいた。
トークルームを非表示にするのが精一杯だった。
非表示にした途端、涙が溢れて止まらなくなった。

知ってた。
ずっとずっとずーっと自分で自分に彼は友達って言い聞かせてた。
今更、言い出して関係が潰れるくらいならと、見てみぬ振りしてた。


私、彼が好きだった。
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