「結婚しとけば良かった」って思うくらい、良い女になって。
「まだ、結婚したくないんだよね」

セミの鳴き声とクーラーの音がする狭い部屋で、
泣きたくなるような事を言われた4年目の記念日。

4年も一緒にいて先の事を考えてくれない彼に、不満と怒りと同時に呆れた気持ちが湧き上がってきた。

「そっか、まだうちら20代だもんね」

「そう、そうだよ」と笑って話を流してる彼を見ながら、この人と先は無いんだろうなと思った。


出逢ってすぐ好きになって、付き合って、色々な事があった。

春は苦手な観覧車に乗って桜を見て
「桜綺麗だけど高いの怖いや」って。

夏は花火大会に行って「来年もまた来ようね」って。

秋は紅葉を見て「来年はここの山に行こう」って。

冬は布団から出ないで「寒いから今日はくっついていよう」って。

そんな他愛もない会話をしながら、平穏な1年を4回繰り返した。


いつからだろう、彼が「ずっと一緒にいよう」と言ってくれなくなったのは。
いつからだろう、彼が、私が、変わってしまったのは。


過ごす年月が経つにつれ、
私は彼を酸素みたいな存在に感じ、彼は私を空気みたいな存在に感じていたのかもしれない。

人には無くてはならない存在の酸素と、
空気といういらない物も混ざったもの。

きっと私の存在は彼からしたら、要らないものも混ざった彼女だったんだろう。
口うるさい、心配性、すぐ弱気になる。
考えたらキリがないぐらい欠点だらけの人間だ。

結婚したくない、と言われて当然なのかもしれない。

だからと言って別れる訳でもない彼を振って、私は後悔しないんだろうか。
そもそも、大好きで死ぬまで一緒にいたいと思った彼を振ることなんて、私にはできないんだろうな。

彼と過ごした4年の長い思い出を忘れる事もきっと、できない。


だからあと1年だけ、後悔しないぐらい愛して、大事にして、
5年目の記念日になったら

「先のこと、考えてくれない貴方が悪いんだよ」

って思いっきり振るんだ。

「結婚しとけば良かった」って思わせられるくらい、良い女になって。
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