彼は一言 「あ、まだいたんだ」と笑った。
雰囲気イケメンが好きだ。

自分の魅せ方をちゃんと知ってて賢く、女の子の扱いも上手い。好きになったら確実に死ぬけどセフレにするにはもってこいな人種、だから好き。そしていつしか人を好きになる感覚を忘れてしまった私は割り切った関係が得意。優勝。

つい最近飲み会で知り合った人がまさにそんな感じだった。
ゴツゴツしているのが少し気になるが綺麗な顔をしていて服もおしゃれでかっこいい。ヘビースモーカーでお酒が好きで表に出る仕事をしているらしく話しも面白い。クールな印象で最初はビビったが、打ち解けるのにそう時間はかからなかった。その日のうちに彼の家に誘われ、彼の仕事の話や元カノの話など色々話してその後肌を重ねた。

日本人にしては大きく前戯もすごく丁寧で全てが上手だった。相性もかなりよくてパーフェクト。良いセフレができたなあと喜んだ。そして外ではクールなのに
「◯◯ちゃん、目のマッサージして〜、目薬さして〜」
と家では甘えて来るところが可愛くてすごく惹かれた。

帰りの電車で"また遊びにいくね"と連絡したが既読無視に終わり、その日以降も疑問文を送れば返ってくるものの基本的には既読無視。ああ悲しいなと思った時にこの人のことが好きなんだな。と気づいた。この感覚は久々だった。

気づいてから1度だけ会った。初めて彼の家にお泊まりした。
フロントホックをうまく外せず、ややこしいのつけてくんなと笑う彼、手の先から足の先まで私を舐めまわす彼、私の身体の柔らかさが今までで1番だと言ってくれた彼、目薬とマッサージしてえと甘える彼。
全て愛おしかったし好きな気持ちは増していた。

翌日とりあえずくつろいでてーと言い残しバイトに行く彼を見送った。
お言葉に甘えながら、そうだ、晩ご飯でも作ってあげようかななんて考えながら、
私は1人そのまま家で彼の帰りを待った。

帰って来ると彼は一言、

「あ、まだいたんだ」と笑った。

思っていた返事と全然違ったことに驚きを隠せず、
たくさん言い訳をしたがそんなのをよそに彼は床で寝てしまっていた。

ここで食い下がって、めんどくさい奴と思われるのが嫌すぎて小さな声で

「またね」

とちゃっかり歯ブラシを置きっぱなしにして私は部屋を後にする。

しばらく好きな人がいない私はもう距離の詰め方も忘れてしまっていて最短ルートで都合の良い女になった。

連絡を返してもらえない時点でお察しだし、彼の家のテーブルには沢山のファンレターが置いてあったし女の子には困っていないんだろうな。いつも使ってるマグカップ絶対誰かとペアだよね。"体の柔らさが"今までで1番って過去に何人いるんだよ。てかまだいたんだねってなんだよ。まだ話したかったしもう1回したかったんだよ。

そういえばこの前、前髪をあげている彼を見た時
「そっちの方がかっこいいよ、いつもそうしててよ」
と褒めたけど
「おろしてた方が女の子寄って来るんだよね」って
笑ってたっけ。
そんなことを言っていた彼を思い出して泣いた。
流石だなあ、自分の魅せ方わかってるなあ。私こういう男に何回殺されてきたんだろ。またやっちゃったな。他の女の子が寄ってこないようにいつも前髪はあげててよ。私はそうしてる君の方が好きだよ。目薬でもマッサージでもなんでもしてあげるから選んでよ。

でも、きっと私の好きに応えてくれること可能性は限りなく0だ。そもそもあんまり私に興味がない。そう思っていた方が気が楽だ。
そして気が済むまで都合がいい女でいようと思った。

大丈夫、私割り切った関係とか得意じゃん。

泣きながら自分を慰めた。
尽きるまで彼の掌で踊り続ける、今はそれしか彼から離れる方法がなさそうだ。
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