終わらせ方が、分からない。
彼とは、大学1年の夏休みの後半、共通の友達を通じて知り合った。

背が高くて、目が細くて、無愛想。
だけどたまに見せるくしゃっとした少年みたいな笑顔が印象的な人。

私たちはすぐに仲良くなって、友達を介さずに2人で会うようになった。

彼の家に入り浸るようになり、お酒の勢いもあって、関係をもったのは出会って2週間のときだった。

「順番間違えたけど、付き合う?」

最高だったセックスのあと、彼がそう言って、私たちは付き合い始めた。

“カラダからの恋愛は続かない! ”
なんてよく言うけど、
私たちは大丈夫、って何故か2人とも強気だった。

私が前日にお酒を飲みすぎて浮腫んだ朝も、前髪を切りすぎてしまったときも、
ちょっと太って落ち込んだときも、
「でも俺はおまえがいちばんかわいい」
って屈託なく笑ってくれる優しい人。

彼の香りが好きで、
声が好きで、
指が好きで、
背中が好きで、
唇が好きで、
全部全部好きになった。

毎日が彼でいっぱいだった。


付き合って2年半が過ぎて、就職活動や国家試験の勉強に追われる中で、すれ違いが多くなり、呆気なく私たちは別れた。

「この先付き合っていっても、お互いマイナスになるだけ。」

あんなに大好きだったのに、終わりはとても単純で形式的で寂しいものだった。



だけど馬鹿な私は、

「会いたい。」

とLINEを送ってしまう。

もう、別れたのに。
終わりにするって決めたのに。

そして彼も、そんな私を見て見ぬふりできなかったんだと思う。

会って、そして、どちらから言ったわけでもなくただただ身体を重ねる。

いつも言ってくれた「かわいい」も「すきだよ」も無い、ただの、寂しさを埋めるためだけの哀しいセックス。

彼は私の中に入っているとき、目を合わせようとしなかったし、私も涙を流しながら抱かれた。

虚しい。

終わりにしなきゃ。

そう思うのに、会いに行ってしまう。


そうやってずるずる身体だけの関係がしばらく続いた。





ある日、彼の部屋に私の使わないブランドの化粧水と乳液が置かれた。

「彼女できたの?」

と聞くと、

「知らない女。」

「そんな簡単に家にあげるんだ」

「お前が、言うなや。」


…あぁ、そっか。

私、こんな関係でしか彼を繋げなくなっても、まだ期待して、すこしは愛されてるんじゃないかって自惚れてた。

どんどん、おかしくなっていく。

私たちは、壊れていく。
私が、壊してしまった。


恋愛ってどうやって終わらせればいいのだろうか。

彼はもう私の好きなあの笑顔を見せてくれない。

セックスだけで繋がった関係は、脆かった。



終わらせ方が、分からない。
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