俺より売れている俳優と飲みに行ったまま彼女は帰ってこなかった。
⚠この純猥談は浮気表現を含みます。
当時、30歳の売れない俳優だった俺は1年間のセフレ関係を経て23歳の後輩女優と付き合い始めた。

誰と付き合う訳でもなくダラダラと遊んでいたのに、彼女の誕生日を祝わなかった時に物凄い罪悪感に苛まれ「あ、俺はコイツが好きなんだ」と気が付いてしまい俺から告白した。

セフレの関係を1年も続けてしまったので初々しいスタートではなかったけど、共通の友人に「俺たち付き合ってます」と発表したり、祝ってもらったりで嬉しかった。
お互い、ドラマや映画に出演するようなレベルの俳優ではなく下北沢界隈の小劇場に出演し、それで得た少ないギャラと生活の為のバイトで毎日は忙しかった。


付き合い初めて1年。
彼女は同じ劇団のメンバーとルームシェアをしていたが色々な事情が重なりルームシェアを解散。
行き場所を失った彼女は六畳一間の我が家に転がり込んできた。
彼女の荷物が運びこまれた我が家は途端に狭くなった。

小さなちゃぶ台で食事をし、毎晩同じベッドで寝た。
ガス代が勿体無くて毎晩一緒にお風呂に入った。
些細な喧嘩はあったけど順調な交際だった。
こんな窮屈な環境でも一緒に過ごせる相手なんて今までいなかったし、身体の相性も良かった。


それからまた1年が経ち俺は32歳。
彼女は25歳になっていた。
未だに俳優の仕事だけでは生活が出来ず、バイト暮らしだったけど俺はプロポーズをする事にした。
クリスマスイブの日、四谷のイタリアンで食事をしながら「結婚してください」とプロポーズした。
婚約指輪なんて高価なモノは用意できず、2万円ぐらいのネックレスをプレゼントした。

彼女の答えは「ありがとう」だった。
プロポーズに対する明確な答えはなくプレゼントに対するお礼の意味の「ありがとう」だった。


それから4日後。
舞台で共演した俺より売れている男の俳優と飲みに行ったまま、彼女は帰ってこなかった。


一晩中連絡し続けても留守番電話。
翌日は朝から新宿の喫茶店でバイトの予定だった彼女。
何か事故にあったのかも知れない。
携帯を落としてしまったのかも知れない。
連絡がつかないだけでバイトには間に合ってるのかも。
俺は彼女のバイト先に行ってみる事にした。

彼女は働いていた。

声を掛ける為に店内に入る。
俺を見つけた彼女は気まずそうに目を逸らした。
レジでコーヒーを注文し、彼女がカウンター越しにコーヒーを出した。
コーヒーを受け取りながら
「昨日、浮気したの?」と聞くと何も言い訳せずに頷いた。
俺はそのコーヒーをそのままカウンターに置いて店を出た。

相手の男の連絡先は知っている。
店を出た瞬間に相手の男に電話し呼び出した。

彼女の仕事終わりは19時。
それまでに相手の男とは話をつけておきたい。
俺は浮気相手の彼を18時に地元の喫茶店に呼び出した。
テーブルを挟んで向かって座り、俺の彼女と何をしたか全て聞き出した。

酒を飲んだ後にキスをしたこと。
そのまま新宿のラブホテルに連れ込んだこと。
夜と朝にセックスをしたこと。

しかし彼は既婚者だった。
2人目の子供が産まれたばかりで奥さんは産婦人科に入院中。
その隙に口説けばやれそうな俺の彼女を誘い出したと。
全て白状した。

俺は出来るだけ冷静に伝えた。
俺が奥さんにバラしたらどうなる?
離婚する覚悟はあったのか?
父親のいない子供達をどう思う?
狭い業界で不倫をして、俺の彼女の今後の仕事に影響がないとでも思っているのか?
彼は反省し謝罪した。
しかしこんな事、初めてじゃないに決まってる。
こんなピンチでも飄々とやり過ごしてきたに決まってる。

でも俺にはどうでも良かった。
今後、俺の彼女に手を出さないでくれたらそれで良かった。
彼は俺に「殴ってください」と言ってきた。
「俺、空手二段だよ?」と伝えると黙って俯いた。
その程度の覚悟か。
反省してる風を装うだけか。
2人分のコーヒー代をレジで払い、店の外に出た。
「自分が浮気した女の彼氏に説教されてコーヒーを奢られて情けをかけられて、どんな気持ち?」と聞いた。
「本当に情けないです…」と彼は答えた。

プロポーズした数日後に俺より売れてる年下の既婚者に彼女を寝取られて情けないのはこっちだよ。

でもお前だけには俺の方が上だと思い知らせたい。
やっぱり殴ってやろうか。
鼻の骨や頬骨ぐらいは一発で折る自信がある。
いや、それじゃダサい。
もっと精神的に負かす方法はないか。俺は彼に言った。

「俺とキスしよう」と。彼は呆気に取られてた。
「お前は浮気した。その上、浮気相手の男に唇を奪われるんだ。
その情けないエピソードを死ぬまで忘れずに生きていけ」

そして俺はむりやりキスをした。
死ぬほど嫌そうな顔をしながら相手の男は受け入れた。
相手の男はそのまま帰っていった。


もうすぐ彼女のバイトが終わる。
俺は地元の駅で待ち、この1時間に起きたことを彼女に話そう。

俺は彼女を許すつもりだ。
2年間ちゃんと付き合ってきて数日前にプロポーズまでした。
それが浮気相手との夜と朝の二回のセックスで終わってたまるか。

改札の向こうから絶望したような表情で彼女が歩いてくる。
あまり寝てない上に朝から働き、仕事中に浮気を彼氏に告白し、そのまま働き続けたらあんな顔になるのか。

でも許そう。
間違いは誰にでもある。
彼女が俺の目の前に来た。


俺は出来るだけ明るく「おつかれさま」と声をかけた。


彼女は「もう別れよう」と言った。
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